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北斗盃は3番人気ブラックバトラーが3歳マイル王に輝く

  • 2024年05月07日
  • 前走の京浜盃と同じ馬体重で挑んだ
    前走の京浜盃と同じ馬体重で挑んだ
  • 最後の直線で力強く抜け出したブラックバトラー
    最後の直線で力強く抜け出したブラックバトラー
  • 落合騎手は3歳3冠競走初制覇
    落合騎手は3歳3冠競走初制覇
  • 田中調教師にとっては2012年ロクイチスマイル以来2度目の北斗盃制覇
    田中調教師にとっては2012年ロクイチスマイル以来2度目の北斗盃制覇
  • 6月13日に行われる北海優駿で2冠制覇を目指す
    6月13日に行われる北海優駿で2冠制覇を目指す

 ホッカイドウ競馬の3歳クラシック第1弾「JBC協会協賛フィエールマン賞 第48回北斗盃」が5月2日、門別競馬場で行われ、日高町の増尾牧場生産の3番人気ブラックバトラーが最後の直線で豪快に脚を伸ばして1分43秒2(良)で優勝。昨年のブリーダーズゴールドジュニアカップ以来の重賞制覇で通算成績を7戦3勝2着1回3着1回とした。なお1馬身差の2着にも追い込んだ5番人気のミソが入り、上位2頭は6月13日に門別競馬場で行われる第52回北海優駿の優先出走権を勝ち取った。

 手綱を取った落合騎手は昨年の金沢スプリントカップ以来の重賞勝利で通算18勝目。管理する田中淳司調教師は4月18日のネクストスター北日本、25日のエトワール賞に続く重賞勝利で通算94勝目となった。

 ダート三冠を目指した南関東では自分の競馬が出来なかったブラックバトラーが復権を期して挑んできた地元戦。初めて経験する内回りコースも、1,600mの距離も昨年のリーディングトレーナーとリーディングジョッキーのコンビの前には杞憂でしかなかった。

 やや混戦模様の中、1番人気に支持されたのは昨年のサンライズCでブラックバトラー以下を完封し、JBC2歳優駿(Jpn3)ではフォーエバーヤング、サンライズジパング相手に真っ向勝負を挑んだパッションクライ。この馬もブラックバトラー同様に南関東の京浜盃(Jpn2)へと挑んだが道中でトモを捻ったようで惨敗。ここが仕切り直しの1戦となったが、この馬の先行力は内回りコースが大きな武器になると思われて支持を受け2.4倍の1番人気になっていた。

 次いだのは重賞未勝利ながらも先行力を武器にコーナー4つの競馬では3戦3勝のキタサンヒコボシ。こちらも先行力を武器とする馬で差のない2番人気となっていた。

 先手を取ると思われたカプセルのハナを叩いたのはキタサンヒコボシだった。ここにパッションクライが並びかけ、さらに「行ければハナに行きたかった」というカプセルが続き、半マイル通過が49秒9というハイペースになった。昨年が51秒2、一昨年が50秒8だったことからも相当なペースだ。ブラックバトラーは課題だったスタートを無難に出るも鞍上の落合騎手は「1番枠でもあり、この馬のリズムで走らせることだけを考えていました」と、やりあうライバルたちを横目に後方のマイポジション。

 レースが動いたのは、3角手前。パッションクライが先頭を奪うと、キタサンヒコボシの石川騎手の手が激しく動く。4角を回ってパッションクライが後続を突き放そうとするも、すぐ後ろまでブラックバトラーが迫り、さらにその外にはミソが。こうなれば、追うものは強い。直線半ばまでは抵抗していたパッションクライだったが、ブラックバトラーがあっさりと交わして3歳マイル王に輝いた。

 落合騎手は「遠征先では不甲斐ないレースをしてしまったが、今回は状態も良く巻き返すことが出来て嬉しかった。2歳時に比べると落ち着きが出て、心身の成長を感じる」と笑顔でレースを振り返り「たくさんの人が競馬場に来てくれて、その人たちの前で勝つことが出来てよかった。三冠を目指したい」と喜びを表現し、田中調教師は「前走、前々走は輸送の影響もあったと思うが、今回は工夫してレースに挑んだので結果を出すことが出来てよかった。距離は延びた方が良いタイプ。このまま三冠を目指したい」と意気込みを語った。