エトワール賞はシュロスが重賞初勝利
ホッカイドウ競馬の古馬スプリント重賞第1弾「第24回エトワール賞」が4月25日、門別競馬場で行われ、中団を進んでいた新ひだか町の岡田牧場生産7番人気シュロスが最後の直線でインコースを力強く伸びて1分12秒2(不良)で優勝した。
人気の中心は昨年の2着馬で前走の兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)で中団から脚を伸ばしてJRAのトップスプリンター相手に3着と健闘したスペシャルエックス。これまでは逃げ、先行する形で実績を積み上げてきたが脚質に幅を持たせる形で好走できたのは大きな収穫で、ここは今シーズンの主役となるためにも結果を残したい一戦でもあった。同じ思いは多くのファンも同じだったようで、その単勝オッズは2.0倍を示していた。
これと人気を分け合うように2.7倍の支持を集めたのは連覇を狙うスティールペガサスだった。この馬のスピード能力も出色で昨年の北海道スプリントC(Jpn3)ではJRA勢に混じって地方競馬再先着となる3着。この時はダンシングプリンス、ジャスティンといった快足馬自慢の馬にも先着を果たしていた。
この2頭に次ぐ人気を集めていたのはホッカイドウ競馬からデビューし、園田競馬で重賞2勝。古馬混合戦を3連勝中のサラキャサリンだったが、その単勝オッズは9.2倍とほぼ一騎打ちのムードとなっていた。
ゲートが開いて真っ先に飛び出したのはサラキャサリンだったがスティールペガサスがこれを追い、スペシャルエックスも先行集団に一角を形成する。その中からハナを奪ったのはJRA時代に2歳オープン勝ちがあり、昨年の道営スプリント4着のイッツクール。有力馬が先行集団を形成する形となって12秒3、10秒3、11秒7というハイラップを刻んで縦長の展開に。レースが動いたのは4角手前でスティールペガサスが先頭に並びかけ、直線入り口ではこれを交わして先頭に。外のサラキャサリンが食い下がり、最内に進路をとったスペシャルエックスも脚を伸ばしたが、そのわずかに空いたスペシャルエックスとスティールペガサスの間を突き抜けたのが服部騎手騎乗のシュロス。JRAから転入5戦目の8歳馬で、この勝利で通算成績を32戦7勝2着3回としている。なお、同馬を管理する田中淳司調教師はエトワール賞5勝目で、騎乗した服部茂史騎手はエトワール賞4勝目となった。
2着には追い込んだピンクヴェノム。スティールペガサスは最後脚が上がって3着となり7番人気と5番人気の組み合わせで馬単は5万円を超える好配当となった。
レース後、服部騎手は「順調に冬を越し、直前の追い切りも素晴らしいものだったので楽しみにしていた。最後は交わされたかなと思いましたが、よく我慢してくれたと思います。ハナ差とはいえ、この勝利はシュロスにとっては大きな価値があるもの。これからも強いメンバー相手に好勝負できるよう、さらにレベルアップさせていきたい」と白い歯を見せ、管理する田中調教師は「最後は2着馬の方が脚色が良かったが、勝ててよかった。入厩したばかりのころは体重が増えづらい馬だったが、冬の間に馬の体調が良化した。ホッカイドウ競馬のスプリント路線は強敵揃いだが、これからも好勝負できるように頑張りたい」と笑顔でレースを振り返っていました。