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中山競馬場でJRAブリーズアップセールが開催される

  • 2024年04月26日
  • 最高価格を記録したトウカイライフ2022
    最高価格を記録したトウカイライフ2022
  • 2ハロン23秒2のトウカイライフ2022
    2ハロン23秒2のトウカイライフ2022
  • 高額2位ハートフルデイズ2022
    高額2位ハートフルデイズ2022
  • 高額3位レディヴァルール2022
    高額3位レディヴァルール2022
  • 牝馬最高価格ルミノハレブタイ2022
    牝馬最高価格ルミノハレブタイ2022
  • 牝馬高額2位で全体5位タイのアンソニカ2022
    牝馬高額2位で全体5位タイのアンソニカ2022
  • 高額5位タイフレンチアウル2022
    高額5位タイフレンチアウル2022

 4月23日、JRAの中山競馬場で2024JRAブリーズアップセール~第20回JRA育成馬調教セール~が行われた。

 JRAブリーズアップセールは、ディープインパクトが日本競馬史上2頭目の快挙達成へ向けて力強い第1歩を踏み出した2005年春に産声を上げた2歳トレーニングセール。それまで行われていた抽せん馬制度を発展させる形で、徹底的な情報開示により、せりに不慣れな馬主でも安心して参加できる、わかりやすい市場開催などを目指して行われている。

 上場されるのは全国1歳市場で購入した馬と、日高育成牧場の生産馬。それらを日高、宮崎の両育成牧場で育成、調教したうえで「セール当日現在において、今後の調教および出走に耐えうると判断した馬」のみ。

 節目となる今回の上場頭数は前日の騎乗供覧後に2頭の欠場が発表されて76頭(牡38頭、牝38頭)での開催となった。

 セールに先立ちマイクをとった日本中央競馬会の菊田馬事担当理事は「JRAは長年にわたって生産育成に関する研究、取り組みを行ってきました。ブリーズアップセールもその一環です。このような取り組みが継続できていることはみなさまのご理解、ご協力があってこそ。感謝します。今回上場する馬は6月から始まる新馬戦で活躍できるものと期待しています。彼らに競走馬としての第一歩を踏み出させてあげてほしい」と呼びかけた。

 せりは正午にスタート。

 最高価格となったのは、日高町の広富牧場生産馬でサマーセール取引馬「トウカイライフ2022」の29,700,000円(税込み、以下同)。前日の公開調教ではJRA職員が騎乗して2ハロン23秒2をマークして好仕上がりの良さをアピールしていた。父は新種牡馬ナダルで、同馬もトレーニングセール出身馬だ。育成を担当した日高育成牧場も「自分たちにとっても所縁の血統馬。スピード調教をやりだしてから自分たちが驚くほどストライドが伸びてきた。期待の大きな1頭です」と高評価を与えている1頭だ。

 これに続いたのは、浦河町の辻牧場生産馬でサマーセール取引馬「ハートフルデイズ2022」の26,400,000円。こちらも新種牡馬ルヴァンスレーヴ産駒。ダービー馬フサイチコンコルドはじめ多くの活躍馬を送り出してきたファミリーだ。公開調教では競馬学校生徒が手綱を取り2ハロンを余裕たっぷりに25秒0秒をマークしていた。育成を担当した宮崎育成牧場は「精神的に落ち着いた馬で心身ともに健康な馬。スピード調教を行うようになって頭角を現してきたように成長力もあると思う」と手応えを感じている。

 牝馬では森町の笹川大晃牧場生産「ルミノハレブタイ2022」が21,450,000円で取引された。この馬もまた新種牡馬ミスターメロディ産駒。前日の騎乗供覧ではJRA職員が騎乗して24秒2をマーク。日高育成牧場では「当初から良いスピードを持っていたが前進気勢の強い馬。騎乗スタッフが工夫しながら育ててくれたおかげで、そのスピードを指示どおりに発揮できるようになった」と白い歯を見せた。

 これらを含めた76頭すべてが売却。847,660,000円は前年比微増ながらも過去10年では2019年に次ぐ売り上げを記録。

 セール終了後、日本中央競馬会の菊田理事は「積極的な情報開示などの取り組みが、本日の成績につながったものと考えています。今後も参加しやすい透明性の高いセール運営と、せり市場の普及に取り組んでいきたい」と感謝の言葉を述べた。