ネクストスター北日本でストリームが重賞2勝目を挙げる
優勝馬には4月29日に園田競馬場で行われる3歳ダート短距離王決定戦「兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)」への優先出走権が付与される「第1回ネクストスター北日本」(カラヴァッジオ賞)が4月18日、ホッカイドウ競馬の門別競馬場で行われた。
このレースは「ホッカイドウ・岩手」のブロック競走とはいうものの岩手地区からの参戦はなく参戦を表明したのは地元勢15頭。
人気はイノセントカップに勝ち、昨年10月に行われた「ネクストスター門別」優勝馬トラジロウが断然の人気を集めて2.4倍。これにフルールカップ優勝馬ヨシノヒローインが4.9倍、栄冠賞を勝ったストリームが5.8倍と続き、オープン特別3連勝中のキタサンヒコボシが4番人気、サッポロクラシックカップ優勝オスカーブレインが5番人気と昨年の2歳重賞活躍馬が上位人気を形成。ほかブロッサムカップ優勝のヴィヴィアンエイトが7番人気で、リリーカップ優勝シシャモフレンドが8番人気で出走するなど出走15頭中6頭が重賞勝ち馬で埋められた。これまで春先の門別競馬といえば有力馬が他地区へと流出し、頭数集めに苦労するような状況が続いていたが充実のメンバーに「全日本的なダート競走の体系整備」の効果を表していた。
この日、第1競走発走前から雨は上がっていたが、前日に降った雨の影響で馬場状態はたっぷりと水分を含んだ「重」発表。
レースを引っ張ったのは大方の予想どおりに快足オスカーブレイン。前走の全日本2歳優駿(Jpn1)は腰を落とすようなスタートで自分の競馬ができなかっただけに阿部騎手渾身のロケットスタート。ハナ争いを演じると思われたシシャモフレンドがスタートで後手を踏んだために願ったりかなったりの独り旅となったが、後続に2~3馬身のリードを保ったままレースを引っ張る。前半3ハロンが34秒8だから、かなり速い。これを追いかける2番手集団はヨシノヒローイン、ストリーム、リコーシャーマン、キタサンヒコボシがほぼ横一線という珍しい展開。戦前から距離不足を言われていたヴィヴィアンエイトはダッシュ良く飛び出したものの少しずつポジションを下げながら中団で脚を溜め、人気のトラジロウも行きっぷりが悪く中団で苦しむような展開。最後の直線に向いて混戦の2番手集団から抜け出したのは岩橋勇二騎手騎乗のストリームで逃げ粘ろうというオスカーブレインに鋭く迫ったのはJRAから帰厩初戦のデュアルロンドと、ヴィヴィアンエイト。最後はヴィヴィアンエイトの伸びがよく2着争いを制している。
勝ったストリームは浦河町の三嶋牧場生産馬。その父ダノンレジェンドも同牧場の生産馬で、ストリームはこの勝利で通算成績を7戦4勝2着1回とした。
レース後、岩橋騎手は「栄冠賞を勝ったあと、馬がずるくなってしまったがそれに対応できない自分が悔しかった。能力の高い馬なので、それを引き出せるように自分からポジションを取りに行ったが、馬も頑張ってくれた。すごく嬉しいし、夢が広がりました」と声を弾ませ、田中調教師も「あの位置なら負けられないと思ってみていた。最終的には北海道スプリントカップ(Jpn3)を目標にしたい」と構想を語った。