軽種馬育成調教センターが育成調教技術者養成研修第42期生開講式
4月17日、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(草野広実理事長)は、浦河町西舎のうらかわ優駿ビレッジAERU(アエル)において、育成調教技術者養成研修の第42期生開講式を執り行った。
第42期生は67人の応募者から選ばれた18歳から29歳までの27人。北海道から5人のほか、青森県、宮城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、長野県、静岡県、愛知県、福井県、大阪府、兵庫県、愛媛県、広島県、鳥取県、佐賀県、熊本県などから集まった。27人は厩務員志望、生産牧場の後継者、BTC利用牧場勤務経験者などがいるという。
開講式では第42期生27人の氏名が読み上げられ、松尾雅洋専務理事が入講を許可。草野理事長から「みなさん、研修への入講、まことにおめでとうございます。みなさんは大勢の入講希望者のなかから、この研修への参加意欲が高い、ということを認められて、いま、ここに集まっています。一年後の修了を目指して、ぜひがんばっていただきたいとおもいます。さっそくみなさんに、心がけていただきたいことがあります。27名の仲間でよくコミュニケーションをとり、いろいろな場面で設定される集合時刻に遅刻しないということです。馬は草食動物で、そして、集団で行動する生き物です。育成牧場では調教にいくときに、一緒に調教に出かけていきます。そこで遅刻してしまうと一日のスケジュールが台無しになってしまうという心配もあります。仲間や馬にも迷惑をかけることになります。毎日の行動に気をつけてください。乗馬訓練は年間で400鞍くらいあります。来年のいまごろはJRA育成馬に乗って広い走路を走れるようになっているはずです。教官から細かい指示がありますが、できるようになるまで繰り返し練習する、毎回課題を持って取り組むという気持ちを持って臨んでください。5月には乗馬に必要な体幹や筋力を鍛える授業が始まります。疲れていても自由時間に乗馬シミュレーターに乗ったり、体幹や筋肉を鍛える。そういった努力をしてください。やる人とやらない人では秋ごろに大差がつきます。日々の努力の積み重ねで乗馬の技術が身についていきます。研修を修了する一年後にはそれぞれの勤務先でリーダーシップをとれる存在になっているとおもいます。さらに将来的には自分で牧場を経営する。あるいは、競馬場の厩舎スタッフから調教師になる。そういった可能性も広がります。BTCのOBはこれまでに約600人おりますが、研修中はみなさん苦労したといっています。しかし、それがいまに生きているということです。みなさんもそうなれるはずです」と式辞が送られた。
この研修は、競馬の安定的発展のための軽種馬生産基盤の強化と軽種馬の資質向上に向けて、将来軽種馬生産地において技術的中核となるべき者に馬に関する体系的な技術・知識を習得させることを目的としたもので1992年に開講。研修期間は1年で、前半の6か月間で軽種馬の育成調教技術者として就労するための基礎的な知識・技術の習得を目標とし、後半の6か月間では前半の6か月間で学んだ知識・技術をさらに深めるとともに、若馬の馴致・初期調教を含めより実践的な技術の習得を目標としている。