馬産地ニュース

軽種馬育成調教センターで馬場清め式が行われる

  • 2024年03月28日
  • 屋外施設の開場に合わせて行われた馬場清め式
    屋外施設の開場に合わせて行われた馬場清め式
  • 人馬の安全と利用馬の活躍を祈願する草野広実理事長
    人馬の安全と利用馬の活躍を祈願する草野広実理事長
  • 利用馬の蹄跡が残る1600mトラック砂馬場
    利用馬の蹄跡が残る1600mトラック砂馬場

 3月25日、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC、草野広実理事長)は、BTC調教場屋内1200m直線ウッドチップ馬場南旋回場前において、馬場清め式を執り行った。

 馬場清め式は、冬季間に閉場していた屋外馬場の開場に合わせ、人馬の安全を祈願する恒例行事。清め式には草野理事長や松尾雅洋専務理事といった役職員、JRA日高育成牧場浮島理場長、BTC利用者振興会の会員、馬場などの施設管理を行う業者関係者など約50人が出席し、浦河神社の酒井俊宮司の神事に従い玉櫛奉納した。

 BTC調教場の屋外施設は、25日から1600mのトラック砂馬場と800mのトラック砂馬場、1200m直線砂馬場と1600m直線砂馬場を開場。開場初日から施設を利用するJRA育成馬をはじめとしたデビュー前の2歳馬が砂の感触を確かめるように駆け抜ける姿があった。なお、グラス馬場、グラス坂路、芝2000m走路は5月中旬の開場を予定しているという。

 BTCは競走用馬の資質の向上を図り安定的な競馬の発展を通じ、育成調教技術者の養成及び育成調教技術の改善・普及を行うことにより、優秀な競走馬資源をかん養し、もって軽種馬生産の振興を図ることを目的として、平成3年3月15日に設立され、JRA日本中央競馬会が建設した日高育成総合施設軽種馬育成調教場の運営・管理及び貸与を行っている公益法人。施設の総面積は1500haあり、イギリスのニューマーケット、フランスのシャンティイなどに匹敵する広大な草原を利用したグラス馬場や本格的な追い切りが可能な直線2000mに及ぶ芝馬場を中心に、1600mと800mのトラック馬場及び1600mと1200mの直線砂馬場、屋内のコースとして1000mの直線ウッドチップ馬場・600mトラック砂馬場・1000m坂路馬場があり、若馬の鍛錬の場として世界に誇れる施設を備えている。

 施設利用馬の活躍は目を見張るものがあり、昨年はファストフォースが高松宮記念(G1)、ジャックドールが大阪杯(G1)、イロゴトシが中山グランドジャンプ(JG1)、メイショウハリオがかしわ記念(Jpn1)と帝王賞(Jpn1)、ミックファイアがジャパンダートダービー(Jpn1)、キングズソードがJBCクラシック(Jpn1)、パンサラッサがサウジC(G1)を制覇するなど、中央競馬、地方競馬、海外競馬で33の重賞競走に優勝。今年もすでに中央競馬ではテーオーロイヤルが阪神大賞典(G2)とダイヤモンドS(G3)、スウィープフィートがチューリップ賞(G2)、ウィリアムバローズが東海S(G2)、リカンカブールが中山金杯(G3)、ルガルがシルクロードS(G3)、トウシンマカオがオーシャンS(G3)、メイショウタバルが毎日杯(G3)、地方競馬ではノットゥルノが佐賀記念(Jpn3)、海外競馬ではリメイクがリヤドダートスプリント(G3)と3月25日現在で11の重賞競走に勝利している。

 施設を利用するアクティファームの加藤祐嗣社長は「BTCの施設はいつもしっかりメンテナンスされているのでたいへん使いやすく感謝しています。冬の間は屋内の施設を使わせていただいてましたが、今後は馬の状態を見ながら屋外の施設もあわせて利用していきたいとおもいます」と話した。