馬産地ニュース

2024第30北海道日高装蹄師会が装蹄競技大会を開催

  • 2024年03月28日
  • 笑顔を見せる成績上位3名
    笑顔を見せる成績上位3名
  • 競技に取り組む選手
    競技に取り組む選手
  • 来賓として祝辞を述べる公益社団法人日本装削蹄協会井上眞会長
    来賓として祝辞を述べる公益社団法人日本装削蹄協会井上眞会長
  • 選手が作製した蹄鉄
    選手が作製した蹄鉄

 3月25日、日高や胆振などの認定装蹄師で組織される北海道日高装蹄師会(門別尚省会長、会員84名)は、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、第30回装蹄競技大会を開催した。

 この装蹄競技大会は、会員の装削蹄技術の向上と連帯強化を目的としたもの。北海道日高装蹄師会の主催で、公益社団法人日本装削蹄協会、北海道庁、JRA日高育成牧場、浦河町、公益財団法人軽種馬育成調教センター、日高軽種馬農業協同組合、日本中央競馬装蹄師会、滋賀県装蹄師会、南関東競走馬装蹄師会、岩手競馬装蹄師会、クレイン装蹄師会、北海道牛削蹄師会が後援、株式会社タイワ、有限会社ファイ健ホース、有限会社今井製作所、有限会社エフ・エム・オーが協賛した。10月に栃木県宇都宮市で開催を予定している全国装蹄競技大会の予選を兼ねており、上位5名に出場権が与えられる。30回の節目を迎えた今年は、5年ぶりに来賓を招き通常通りに開催。大会には22歳から40歳までの11名の会員とオープン参加の1名を含め12名が出場した。

 競技は全国装蹄競技大会競技規定に準じており、所要時間25分で、3分6鉄桿を用い、前肢または後肢いずれかの左右を作製する単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)、所要時間25分で判断用馬1頭につき与えられた判断用紙に前肢・後肢の肢勢、蹄形、歩様、疾病損徴、多削部位、装蹄の方針などを記入提出する装蹄判断、規定時間60分以内に指定された実馬の前肢1蹄に合わせた07タイプ蹄鉄1個を単独で造鉄し、その蹄鉄を用いた装蹄と門別会長が指定する課題蹄鉄1個の造鉄を完了する装蹄の3種目で実施。単独造鉄は8項目の細目に区分し200点満点、装蹄判断は100点満点、装蹄は、装蹄用蹄鉄、削蹄、仕上げの細目に区分し、各90点と、課題蹄鉄の100点の370点満点で採点し、単独造鉄競技の成績上位8人が、最後の競技の装蹄に進んだ。

 審査は竹田和正JRA日高育成牧場専門役を競技審査委員長に、同装蹄師会の中館敬貴理事、森野健太副会長、大東正史副会長という3名の全国装蹄競技大会総合優勝経験者が競技審査委員となり、細部にわたりチェック。厳正な審査の結果、滋賀県のノーザンファームしがらきに勤務する川井伸太郎さんが総合優勝した。

 表彰式では総合優勝の川井さんに対し門別会長が賞状と記念品のほか光り輝く優勝カップを授与。公益社団法人日本装削蹄協会、北海道庁、JRA日高育成牧場、浦河町、公益財団法人軽種馬育成調教センターなどからも賞状や記念品が贈呈された。

 来賓を代表して公益社団法人日本装削蹄協会井上眞会長は「まずは第30回装蹄競技大会、無事に終了したことをおめでとうございます。そして、選手のみなさま、ほんとうにごくろうさまでした。コロナが明けて、はじめて通常に戻った大会です。そのなかで、多くの観客のなかで、みなさま、存分、本領を発揮されたこととおもいます。わたしもこの大会を初めて最後まで見させていただきました。みなさまが馬に取り組む真摯な姿勢、ひじょうに感銘を受けました。これからもそういった心を忘れずにいただきたいとおもっております。そして、会員さまをはじめ、入賞された方々、ほんとうにおめでとうございます。秋に全国大会がございます。そこまで時間も十分にございます。さきほど、審査員の方々が講評で指摘されていたところをかみしめながら、秋の全国大会を目指して、よりいっそう努力を重ねてください。また、その席でお会いしましょう」と祝辞。門別会長は「本日、節目となる第30回大会を迎え、無事に終えることができました。これもJRA日高育成牧場様、BTC様、ご後援、ご協賛いただきました関係各位のおかげだと心より感謝申し上げます。全国大会に出場されるみなさまには、全国大会では悔いが残らぬよう、また、本日予選を通過できなかった選手のみなさま方におかれましては、来年、通過できるように日々、技術の研鑽に励んでいただきたいとおもいます。会員のみなさまには、早朝より長時間にわたりご協力いただき、まことにありがとうございます。装蹄競技大会は日高装蹄師会にとって、最大のイベントであり、装蹄技術向上に欠かせない重要な大会だとおもっております。われわれもより良い運営ができるように協議してまいりますので、今後ともみなさまのご協力とご支援をいただきたいとおもっております。本日はまことにありがとうございました」とあいさつした。

 2回目の出場で総合優勝した川井さんは「去年よりは練習してきたものが出せたと感じていました。自分としては良い手ごたえがありました。大会に向けて同期と練習してきた甲斐がありました。日高装蹄師会の代表として自分のベストが出せる状態にして全国大会でも頑張りたいとおもいます」とよろこんだ。

 結果は下記の通り(敬称略)。

総合優勝:川井伸太郎(滋賀県)476.5点
総合2位:岡本昂昌(浦河町)437.5点
総合3位:武藤涼(千歳市)383.7点
総合4位:黒田優輝(千歳市)367.7点
総合5位:尾崎智久(千歳市)360.7点

部門賞
単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ):川井伸太郎(滋賀県)144点
装蹄判断:川井伸太郎(滋賀県)83.5点
装蹄:川井伸太郎(滋賀県)249点