レッドルゼルがイーストスタッドにスタッドイン
金沢競馬場を舞台とした2021年のJBCスプリント(Jpn1)などに優勝したレッドルゼル(牡8歳、父ロードカナロア、母フレンチノワール、千歳市・社台ファーム生産)が現役生活を引退。2月28日に競走登録を抹消され、4日午前に休養先の牧場から浦河町のイーストスタッドに到着した。
Jpn1優勝馬の到着にはイーストスタッドの谷川貴英代表ほか、同スタッドの役員も姿を見せて期待に大きさをうかがわせた。
栗東の安田隆行厩舎に所属していたレッドルゼルは2歳9月に阪神競馬場芝1400m戦でデビュー。この時もデビュー前の評判や調教の動きなどから圧倒的人気に支持され、2番手追走から最後の直線で1度は抜け出す積極的なレース運びをしたものの3着。しかし、続くダート1400m未勝利戦では2着以下に大差の逃げ切り勝ち。この1戦以降、引退するまで徹底的にダート路線を歩むことになる。デビュー4戦目に自己条件戦を勝ち上がり、秋には古馬混合の三峰山特別で3勝目。準オープン昇格後も堅実なレースを続け、4歳2月の橿原Sを勝ってオープン入りを果たし、格上げ初戦のコーラルSも快勝。スピード能力の高さを証明している。待望の重賞初勝利は5歳1月の根岸S(G3)。後方で息をひそめ、最後の直線でタイムフライヤーを交わすと、追い込むワンダーリーデルを退けて重賞ウィナーの仲間入りを果たしている。その後はG1/Jpn1路線を歩み、5歳秋のJBCスプリント(Jpn1)に勝ったほか5歳、6歳時にはUAEのドバイゴールデンシャヒーン(G1)で連続2着。7歳2月のフェブラリーS(G1)でも後方から出走メンバー最速の末脚でレモンポップに迫っている。通算成績は27戦9勝2着8回3着3回(JRAで20戦7勝2着6回3着2回)。
父ロードカナロアは2020~23年総合&JRAサイアーランキング2位。アーモンドアイ、ダノンスマッシュ、サートゥルナーリアなど国内外の芝G1優勝馬を送っているほかパンサラッサはドバイターフ(G1)とダートのサウジカップ(G1)を制している。
フレンチデピュティ産駒の母フレンチノワールはJRA4勝。米国産の祖母カノープスは日本で競走生活を送って3勝。近親には福島2歳S勝ち馬テーオーマルクス、エーデルワイス賞(Jpn3)4着ニシノミンクスなどがいる。
谷川代表は「競走を終えたばかりだが、体全体のバランスが良く見栄えのする馬体になると思う。ダート種牡馬は需要があり、中でもJBCスプリント(Jpn1)の優勝馬は種牡馬として成功するものが多い。世界でも活躍し、フェブラリーS(G1)で幅広い距離への対応力も証明してくれた」と満足そうに語った。