馬産地ニュース

セキフウがスタッドイン

  • 2024年03月05日
  • 到着したセキフウ(提供/岡田牧場)
    到着したセキフウ(提供/岡田牧場)
  • 半兄ビッグアーサーと同じアロースタッドで種牡馬業務に励むこととなった
    半兄ビッグアーサーと同じアロースタッドで種牡馬業務に励むこととなった
  • 歩様に大きな乱れはなく関係者はほっと胸をなでおろしている
    歩様に大きな乱れはなく関係者はほっと胸をなでおろしている
  • 志半ばでの引退となったが夢は産駒に託すことになった
    志半ばでの引退となったが夢は産駒に託すことになった
  • ファンの方から届いたお守り
    ファンの方から届いたお守り

 ダート重賞路線で長く活躍したセキフウ(牡5歳、栗東・武幸四郎厩舎)が2月24日に競走馬登録を抹消。今シーズンは、新ひだか町のアロースタッドで種付けを行うことになった。

 同馬は浦河町のバンブー牧場生産馬で、父ヘニーヒューズ、母シヤボナ(その父キングマンボ)という血統。父のヘニーヒューズは2020~23年JRAダートチャンピオンサイアーで、21、22年ダート総合チャンピオンサイアー。曾祖母のルロワがサンタバルバラH(G1)サンタアナH(G1)に勝ち、ヴェルメイユ賞(G1)2着という活躍牝馬。半兄に高松宮記念(G1)に勝ち、種牡馬としても成功しているビッグアーサーがいる血統で、通算成績は23戦4勝2着3回3着5回。

 2歳9月に中京競馬場デビューし、3戦目に阪神競馬場ダート1400m戦で初勝利。続く「なでしこ賞」は出遅れながらも豪快な追い込み勝ちを決め、さらに「兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)」で重賞初勝利。続く全日本2歳優駿(Jpn1)は4着と敗れたものの遠征したサウジダービー(G3)では、逃げ切りを図るデルマーフュチュリティ(G1)勝ち馬パインハーストをゴール前大外から詰め寄って半馬身差2着。世界レベルの能力を証明している。帰国初戦のユニコーンS(G3)はクビ差2着。

 その後、やや勝ち運に見放されたような競馬を続けた時期もあったが、23年夏の北海道シリーズで復活。59kgを背負った大沼Sで2着のあと、マリーンS 3着を挟んでエルムS(G3)に優勝。2つ目のビッグタイトルを手中にしている。24年シーズン初戦に選んだフェブラリーS(G1)は出走メンバー最速の末脚で追い込んで3着と健闘したものの、レース後に右前脚に浅屈腱炎を発症。無念の引退となった。

 2日午前、休養先の牧場から新ひだか町の岡田牧場に到着。事務局ジェイエス職員やアロースタッドスタッフらも駆けつけて、無事の到着にほっと胸をなでおろした。

 岡田社長は「印象に残っているのは現地で応援したエルムS(G3)ですが、フェブラリーS(G1)でG1級の能力を示してくれました。ヘニーヒューズの後継種牡馬はモーニンを筆頭に成功していることから、すでに事務局には問い合わせも来ていると聞いています。サンデーサイレンスを持たないヘニーヒューズ後継種牡馬という意味でも需要はあると思うので準備を整えたい」と意気込みを語った。

 到着から約6時間後に中山競馬場で行われたオーシャンS(G3)は半兄ビッグアーサー産駒のワン・ツー・フィニッシュ。今シーズンから種牡馬生活に入る弟に貫録を見せる格好となった。

 なお、種付料は受胎確認後30万円、出生条件50万円と設定された。