レックススタッドで種牡馬展示会が開催
5日間連続で行われる種牡馬展示会の最終日は新ひだか町静内地区。午前9時にスタートした日本軽種馬協会静内種馬場、午前10時からのアロースタッドに続いて午前11時30分より、レックススタッドで自慢のラインナップ23頭がお披露目された。
最初に登場したのは菊花賞(G1)、天皇賞(春)(G1)、そして宝塚記念(G1)に勝って22年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出されたタイトルホルダー。もっとも新しいチャンピオンサイアーの後継種牡馬であり、また父ドゥラメンテとともに「父仔で三冠」を成し遂げた馬だけにその期待は高く、現役引退が報じられると、申し込みが殺到。シンジケートは即日満口、そして受胎確認後支払い350万円に設定された余勢権利もあっという間に予定数に達して受付を中止せざるを得ない状況になったという。
初お披露目に姿を見せた山田弘オーナーは「すべての方の希望に添えずに申し訳ありません。現役時代には大変人気があった馬だけに、その子供たちも注目されると思っております。みなさまのご支援、ご協力により本馬を上回る子供たちが生まれますよう、どうぞよろしくお願いいたします」と応援メッセージがあった。
本馬を管理した栗田徹調教師も駆けつけ「セレクトセールで初めて見させてもらいましたが、その第一印象は、体が柔らかくて、頭が小さく、とても品の良い馬だなという印象でした。調教を始めると、まだ緩さを残すなかでも素晴らしい動きをしてくれたことを覚えています。やがて、その緩さが解消されると成績が伴うようになり、とくに4歳時には素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました」と現役時代のエピソードを交えて思い出を語り「この馬の持ち味は運動神経と心肺機能。ゲートが早くて、そのスピードを維持できるスタミナを持っていました。また、速いペースでも容易にバテない強靭な精神力もストロングポイントとしてあげられると思います。勝てなかったレースは子供に託し、その産駒で勝利したいと思いますが、それはみなさまのご協力があってこそ」とバックアップを祈願した。
続いて登場したのはJBCスプリント(Jpn1)、リヤドダートスプリント(G3)を制し、ダートのスプリント部門で日本調教馬として過去最高となる117のレーティングを獲得したダンシングプリンス。長年、苦楽をともにした宮田敬介調教師は「開業して、初勝利を記録してくれたのがダンシングプリンスでした。その思い出深い馬が、こうして種牡馬となったことが嬉しい。関係者のみなさまに御礼申し上げます。ダートのスプリンターとして、これ以上はないというくらいの実績を残し、能力の高さは疑いようがないところでしたが、中山競馬場芝1200mのようにスタート部分が芝コースというコースでも抜群のダッシュ力を見せてくれたことから芝適性も感じさせる素晴らしい馬でした」と紹介された。
また米国産新種牡馬のマスタリーは「無敗の快速馬キャンディライドから生まれた無敗の快速馬」と紹介された。現役時代はわずか4戦のキャリアながら3つの重賞タイトルを含む4戦4勝。その合計着差は19馬身1/2にもなった快速馬だ。「芝、ダートの両方で重賞勝ち馬を送り、また距離に対する守備範囲も広い。ダイヤの原石かもしれない」とアピールし、集まった生産者らに配合を呼びかけた。