優駿スタリオンステーションで種牡馬展示会が開催される
2月7日、午前11時から新冠町の優駿スタリオンステーションで種牡馬展示会が開催された。
昨シーズン、優駿スタリオンステーションは29頭の繋養種牡馬が、1,577頭の繁殖牝馬に配合を行った。これは日高管内のスタリオンでは最多の数字であり、それだけ話題性のある種牡馬がラインナップされている証とも言える。
今回の種牡馬展示会では30頭の繋養種牡馬が展示。その中には4頭の新種牡馬に加えて、新入厩馬となったミッキーアイルの姿もあった。
新種牡馬の4頭で最初に展示されたのは、2022年のチャンピオンズC(G1)の勝ち馬であるジュンライトボルト。展示に際しては現役時に管理していた友道康夫調教師が挨拶に立った。
「ジュンライトボルトは私の厩舎に初めてのダート重賞勝ち、そしてダートG1のタイトルをもたらしてくれました。芝でオープンまで上り詰めた馬ではありましたが、厩舎のスタッフと本馬の走るフォームを見た時に、ダート適性の高さを持ち合わせているのではとずっと思ってきました。母系の3代母にはエアグルーヴの名前や、近親には種牡馬として活躍しているドゥラメンテや、ルーラーシップもいる、素晴らしい血統背景をしています。この血統背景や、芝とダートの双方で活躍した競走成績は、種牡馬としても、これからの競馬界で幅広い活躍をしてくれると思っています」と友道調教師は種牡馬となったジュンライトボルトの多彩な魅力を語っていた。
次に姿を見せた新種牡馬が、2022年のジャパンC(G1)を制したヴェラアズール。この日は現役時の管理調教師である渡辺薫彦調教師が駆け付けた。
「見ていただいているように、お父さんのエイシンフラッシュと同様の雄大な馬格と骨格の良さ、そして、この日差しを跳ね返すような毛色とグッドルッキングホースと呼ぶに相応しい馬だと思います。調教も自分が乗っていましたが、本当に乗り味のいい馬であり、キャンターもしっかりと踏み込めているだけでなく、左右のブレも無くてまさしく体幹の良さを感じられる馬でした。初遠征となる海外でも人より馬の方がどっしりと構えていたように、本当に扱いやすい馬でした。ヴェラアズールにはこの仕事をするに当たって、諦めてはいけないという気持ちと、決めすぎてはいけないということを深く学ばせてもらいました。僕にとってかけがえのない、忘れ難い存在となっています」と渡辺調教師は話した後、周回を重ねていくヴェラアズールを優しい目で見守っていた。
国内でG1を勝った2頭の後には、2015年の米国古牡馬チャンピオンであり、種牡馬としても次々とG1馬を送り出しているオナーコード。そして2022年の愛ダービー(G1)、2023年にもサンクルー大賞(G1)を制しただけでなく、その年の凱旋門賞(G1)では勝ったエースインパクトから1馬身3/4差の2着となったウエストオーバーと、2頭の輸入種牡馬が展示された。
オナーコードは種牡馬展示会の時点で満口となっている人気ぶり。また、ウエストオーバーも筋肉質の好馬体を生産者の前で披露できたことで、改めて人気が高まってきそうだ。
新種牡馬4頭の後は、新入厩馬となるミッキーアイルが展示され、その後は優駿スタリオンステーションの人気を支えている、実績十分の種牡馬が展示されていく。産駒デビュー前の種牡馬が姿を見せた後に、現在の「優駿スタリオンステーションの四天王」と言える、実績十分の種牡馬たちが厩舎から姿を見せていった。
2022年のNARチャンピオンサイアーとなったエスポワールシチーに続いては、2023年のNAR2歳チャンピオンサイアーのモーニン。そして、中央の芝重賞でコンスタントに勝ち馬を送り出しているシルバーステートが展示された後、今年の種牡馬展示会のラストを飾ったのが、4年連続でJRAダートサイアーの首位となっているヘニーヒューズとなった。
ヘニーヒューズは今年で21歳。昨年もデビューからの5連勝でみやこS(G3)を勝利したセラフィックコールなど、中央だけで4頭の重賞勝ち馬を送り出している。また、先述したモーニンや、同スタリオンで繋養されているアジアエクスプレスなど、現在は「サイアーオブサイアー」として、日本の生産界に父系を築きつつある。
今年で21歳を迎えるヘニーヒューズであるが、筋肉隆々とした馬体はまだまだ健在。昨年も97頭の繁殖牝馬に配合を行っているが、今シーズンは種付申し込みが満口となっているように、種牡馬としての人気は、年齢を重ねても変わりないようだ。