パンサラッサがアロースタッドにスタッドイン
1月9日午後3時半過ぎ、新ひだか町静内田原にあるアロースタッドに、2024年から新たに種牡馬として導入されることになったパンサラッサがスタッドインした。
パンサラッサのスタッドインには、引退式を行った中山競馬場からパンサラッサを担当していた元厩務員の池田康宏さんが同乗。アロースタッドの松木優場長をはじめとしたスタッフや事務局(株)ジェイエスの職員、パンサラッサを生産した木村秀則さんのほか、多くの報道陣が出迎えた。
かつての愛馬を送り届けた池田さんは「無事にアロースタッドに到着してひと安心です。種馬として新ひだか町の星になるようがんばってほしいとおもいます。いままで応援ありがとうございました。改めて見るといい馬ですね。やはり、世界を獲るだけはある。昨日の引退式も盛り上がってよかった。泣いてる人もいっぱいいました。おれもインタビュー受けとるときはやばかったけど…。無事到着してよかった。ぼくも退職したけど、これが終わらないとゆっくりできないんで、定年退職後の最大のイベントだったんで、もう肩の荷が下りました」とはればれとした様子だった。
木村さんは「何頭になるかわかりませんけど、ぜひ種付けしたいとおもいます。振り返ってみますと初勝利がうれしかったですね。よく勝ってくれたというおもいが…。そのあとも、この馬のレース映像を何度も再生しました。(2着だった2022年の)天皇賞(秋)(G1)は100回くらい見て、何度も見てたら1回くらいは勝てるんじゃないかと、感動させてもらいました。健康で丈夫な馬を生んでほしい。とにかく長く種牡馬生活を送ってほしいとおもいます。オーストラリアへもシャトルされます。むこうでも優良な繁殖牝馬がかなり用意されていると聞いています。向こうでの活躍も期待したいです」と話した。
明けて7歳になったパンサラッサは、父がロードカナロア、母がミスペンバリー、母の父がモンジューという血統の牡の鹿毛。半兄には2012年の青葉賞(G2)2着のエタンダール、半姉には2019年の京成杯オータムH(G3)2着、2020年の阪神牝馬S(G2)3着、キーンランドC(G3)3着のディメンシオンがおり、一族には1999年のイスパーン賞(G1)、1998年のリュパン賞(G1)などを制覇し、2001年から2005年まで日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬生活を送り、2008年の川崎記念(Jpn1)、2007年の名古屋グランプリ(Jpn2)などを制覇したフィールドルージュの父としても知られるクロコルージュがいる。
現役時代のパンサラッサは、広尾レース株式会社が所有、栗東の矢作芳人厩舎が管理し、競走成績は27戦7勝2着6回。2019年9月に阪神競馬場でデビューし、3戦目で初勝利をあげた。2021年の福島記念(G3)を1分59秒2のタイムで逃げ切って重賞初制覇。2022年の中山記念(G2)で2つ目の重賞タイトルを獲得すると、続くドバイターフ(G1)でロードノースと1着同着となりG1初制覇を成し遂げた。
2023年は世界最高賞金競走として有名なサウジC(G1)を逃げ切って優勝。日本調教馬として初めてのサウジC(G1)制覇と海外における芝とダート両方のG1競走に初めて勝利する歴史的偉業を記録した。
2024年の種付料は受胎条件300万円(フリーリターン特約)となっている。