ピクシーナイトがブリーダーズ・スタリオン・ステーションにスタッドイン
12月29日早朝、日高町富川東にあるブリーダーズ・スタリオン・ステーションに、2024年から新たに種牡馬として供用を開始するピクシーナイトがスタッドインした。
ピクシーナイトのスタッドインには事務局(株)サラブレッド・ブリーダーズ・クラブの職員や坂本教文場長をはじめとしたスタリオンスタッフが出迎え、期待の新種牡馬に熱い視線を送った。
明けて6歳になったピクシーナイトは、父がモーリス、母がピクシーホロウ、母の父がキングヘイローという牡の鹿毛。2022年のラジオNIKKEI賞(G3)などを制覇したフェーングロッテンは半弟、2012年の阪神牝馬S(G2)などを制覇したクィーンズバーンは伯母、2004年の名古屋グランプリ(G2)などを制覇したワイルドソルジャーと2014年の名古屋大賞典(Jpn3)などを制覇したダノンカモンは叔父、2017年の福島牝馬S(G3)、2015年のキーンランドC(G3)、2013年のクイーンC(G3)などを制覇したウキヨノカゼはいとこで、安平町早来源武にあるノーザンファームの生産馬になる。
現役時代のピクシーナイトは、有限会社シルクが所有、栗東の音無秀孝厩舎が管理し競走成績は14戦3勝2着2回3着1回。デビューは2020年9月の中京競馬場で、1.7倍という圧倒的一番人気の支持に応え初陣を勝利で飾った。年が明け2021年のシンザン記念(G3)を楽々と逃げ切って重賞初制覇。CBC賞(G3)、セントウルS(G2)で古馬相手に2着になると、秋のスプリンターズS(G1)でレシステンシア、シヴァージ、メイケイエール、モズスーパーフレア、ダノンスマッシュ、ビアンフェ、ジャンダルム、エイティーンガール、ファストフォースといった並みいるスピードスターを相手に、1分07秒1のタイムで優勝。曽祖父グラスワンダー、祖父スクリーンヒーロー、父モーリスに続く父系4代JRAG1制覇という偉業を成し遂げた。
12月27日付けでJRAの競走馬登録を抹消。有志による高額シンジケートは即日満口になったという。2024年の種付料は受胎確認後支払100万円(フリーリターン特約)、または出生条件150万円になる。
事務局の(株)サラブレッド・ブリーダーズ・クラブは「かつて当スタリオンで繋養していたグラスワンダーの血が帰ってきてとても感慨深いですね。この血を後世に伝えることが務めと心に銘じています。ピクシーナイトは3歳時にスプリンターズステークス(G1)で卓越したスピードと瞬発力を惜しみなく披露した快速スプリンターになります。父は日本と香港でG1競走6勝を挙げて、2015年にはJRA賞年度代表馬と最優秀短距離馬に輝いた歴史的名馬モーリスで、母はJRA3勝、半弟フェーングロッテンはラジオNIKKEI賞(G3)優勝と活力豊かな牝系です。540kgに迫る雄大な馬格、柔らかな身のこなしからもポテンシャルの高さがうかがえます。引退発表後に結成されたシンジケートは株数を増やしての即日満口となりました。ピクシーナイトへの関係者の期待をひしひしと感じております。配合的にも可能性が広がる楽しみな存在です」と話した。