シャトル種牡馬が社台スタリオンステーションに帰厩
日本のシーズンオフを利用してオーストラリアのアローフィールドスタッドにシャトル供用されていたアドマイヤマーズとモーリスの2頭が12月26日早朝、北海道安平町の社台スタリオンステーションに帰厩した。
アドマイヤマーズは父ダイワメジャー、母ヴィアメディチという血統で、安平町ノーザンファームの生産馬。2018年6月に中京競馬場でデビューすると新馬、中京2歳S、デイリー杯2歳S(G2)を勝ち進み、不敗のまま朝日杯フューチュリティS(G1)を制覇。同年のJRA賞最優秀2歳牡馬に選ばれている。共同通信杯(G3)2着、皐月賞(G1)4着後、距離適性を考慮されて向かったNHKマイルC(G1)では伸び悩む人気のグランアレグリアを尻目に先頭ゴールイン。2011年グランプリボス以来2頭目となる朝日杯フューチュリティS(G1)、NHKマイルC(G1)の連覇を成し遂げている。さらに3歳シーズンの締めくくりに選んだ香港マイル(G1)では地元の雄ビューティージェネレーションらを下して優勝。同レース史上初めて3歳馬による優勝を成し遂げた。それはまた同時に日本調教馬史上初めて3歳馬による海外古馬混合G1制覇にもなった。通算13戦6勝2着1回3着(海外2戦1勝含む)で現役引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。初年度から115頭の繁殖牝馬を集める人気種牡馬となり、その初年度産駒「ポロンナルワの2022」は昨年のセレクトセールにおいて1億5950万円(税込み)で取引されている。
24年に国内供用4シーズン目を迎えるアドマイヤマーズにとって南半球へのシャトル供用は2021年、2022年シーズンに続く3度目。豪州での種付料は前年と同額の22,000オーストラリアドルに設定されたという。日本での初年度産駒は明け2歳となっており、24年にデビュー予定となっている。
もう1頭のモーリスは父スクリーンヒーロー、母メジロフランシスという血統で、日高町の戸川牧場生産馬。サマーセールで取引されたのち北海道市場トレーニングセールへと上場されノーザンファームによって購買されている。
現役時代の通算成績は18戦11勝2着2回3着1回(海外3戦3勝含む、重賞7勝)。国内外で6つのG1タイトルを獲得したのち社台スタリオンステーションで種牡馬入り。今年で8シーズン目を迎える。モーリスにとっては2017年、2018年、2019年、2021年、2022年に続き6回目のシャトル供用でやはり前年と同額の82,500オーストラリアドルに設定されていた。今シーズンからアローフィールドにはモーリス産駒でATCオーストラリアンダービー(G1)、VRCオーストラリアンギニーズ(G1)、VRCヴィクトリアダービー(G1)を勝ったヒトツがスタッドインを果たしており、父仔供用となったが、それでも例年と変わらぬ繁殖牝馬を集める人気ぶりだったという。
無事の到着を確認した社台スタリオンステーションでは「昨年、一昨年と同様に南半球での種付シーズンを途中で切り上げ、良い状態で帰国できたと思います。しっかりとケアしてシーズンを迎えたい」と意気込んでいる。
2024年の種付料は、アドマイヤマーズが受胎条件250万円(フリーリターン特約付帯)、モーリスが受胎条件800万円(フリーリターン特約付帯)と発表されている。