馬産地ニュース

社台スタリオンステーションにイクイノックスがスタッドイン

  • 2023年12月20日
  • スタッドインしたイクイノックス
    スタッドインしたイクイノックス
  • スタッドインには木村哲也調教師も駆けつけた
    スタッドインには木村哲也調教師も駆けつけた
  • 親子でキタサンブラック系の確立を目指す
    親子でキタサンブラック系の確立を目指す
  • 馬房に設置されたネームプレート
    馬房に設置されたネームプレート

 12月18日午前11時30分ころ、安平町早来源武にある社台スタリオンステーションに、2024年度から種牡馬として新たに供用されるイクイノックスが、はつらつとした姿でスタッドインした。

 イクイノックスのスタッドインには、木村哲也調教師が美浦から駆け付けたほか、生産育成を手がけたノーザンファームの職員も出迎え。イクイノックスが無事に到着したことを確認した後、社台スタリオンステーションの徳武英介場長から木村調教師に花束が贈られた。管理馬のスタッドインを見届けた木村調教師は「これで仕事を終わらせることができた。責任を果たせてほっとしています。イクイノックスと過ごした毎日が貴重な時間でした。競馬もそうですけど、朝焼けのなか走ってくる彼の姿とか、ひとつひとつが自分のだいじなだいじな思い出になっています」としみじみと振り返った。

 安平町早来源武にあるノーザンファームが生産したイクイノックスは、牡4歳の青鹿毛。父はキタサンブラック、母はシャトーブランシュ、母の父はキングヘイローという血統になる。母は2015年のマーメイドS(G3)に勝利した重賞勝ち馬、半兄は2021年のラジオNIKKEI賞(G3)を制覇したヴァイスメテオール、祖母ブランシェリーの半兄は2004年に中山大障害(JG1)、中山グランドジャンプ(JG1)を制覇してJRA賞最優秀障害馬に選出されたブランディスで、日本でも種牡馬として供用されたベリファやベルマンと同じ牝系になる。

 現役時代のイクイノックスは、シルクレーシングが所有、美浦の木村哲也厩舎が管理し、競走成績は10戦8勝2着2回。総獲得賞金はJRA史上歴代1位の2,215,446,100円になる。2021年8月の2歳新馬戦でデビュー勝ち。2戦目の東京スポーツ杯2歳S(G2)で重賞初制覇を飾った。2022年の皐月賞(G1)はジオグリフの2着、日本ダービー(G1)はドウデュースの2着にいずれも惜敗。秋は菊花賞(G1)へは向わず天皇賞(秋)(G1)に出走し、パンサラッサ、シャフリヤール、ユーバーレーベン、ジオグリフ、ポタジェといったトップホースを相手に1分57秒5のタイムで駆け抜けG1初制覇を成し遂げた。暮れの有馬記念(G1)も制覇。圧倒的な強さを見せてJRA賞年度代表馬、JRA賞最優秀3歳牡馬を受賞した。

 今年はドバイシーマクラシック(G1)、宝塚記念(G1)、天皇賞(秋)(G1)、ジャパンC(G1)に優勝。その走りは世界最強といわれた。

 2024年度の種付料は種牡馬1年目としては破格の2,000万円に設定されたが、発表と同時に満口になっている。

 徳武場長は「種付料が決まる前から問い合わせが多くて、しかも複数種付けしたいという希望があって、種付料が決まってからも、それでも何としても種付けしたい、ということで初年度に設定した予定頭数をオーバーしている状況です。まずは試験交配を早めに行って、種牡馬生活への準備をしていきたいです。そのあとは来年の2月上旬に展示会を開催して、2月10日以降から種付けをスタートします。最初は一日一頭に制限しながら徐々に一日の頭数を増やしていくことになるとおもいます。1年目から成績に見合った繁殖牝馬が集まってくるとおもいますし、種付料も当スタリオンのなかでは最高額の設定になるので、みなさんの期待に応えられるように育てていきたいですね。キタサンブラックの初年度産駒ということでお父さんもまだ若いですから、親子で生産界を引っ張っていくとおもってます。キングカメハメハ系やディープインパクト系の種牡馬と戦っていくことになりますが、この親子でキタサンブラック系を確立できるようにがんばってほしいです」と話した。