2023年度軽種馬後継者研修修了式が執り行われる
11月17日、公益社団法人日本軽種馬協会(河野洋平会長理事)は、新ひだか町静内田原にある静内種馬場研修所講義室において、2023年度軽種馬後継者研修の修了式を執り行った。
軽種馬後継者研修は、わが国の競馬をより一層発展させ、また、生産界の期待に応えうる後継者、スタッドマネージャーを養成する目的で1992年から開講。本年度は日高管内から7人が受講し、11月6日から11月17日まで、土曜日、日曜日を除く10日間で、馬の飼養管理や繁殖など幅広い知識を研修した。
修了式では遊佐繁基場長が「あなたは公益社団法人日本軽種馬協会の2023年度軽種馬生産後継者研修において、所定の課程を修了したことをここに証します」と修了証書を授与。続けて「本日研修を修了される七名の研修生のみなさんには、心からお祝いを申し上げます。近年、競馬の売上げは地方、中央ともに堅調に推移しており、本年のせり市場においても安定した成績となりましたが、軽種馬生産界には、まだまだ多くの課題が残されております。これらの課題を解決し、競馬を盛り立てるためには、ファンを魅了する強い競走馬を生産育成し、競馬の存在をより魅力的なものにすることが、ますます重要となってきており、生産育成業務に携わるみなさんのような、最先端の知識・技術を学ばれた人材が不可欠です。みなさんには、今後も自分を厳しく律して精進され、ここで学ばれた知識や技術を遺憾なく実践の場で発揮されることを心から願っています。最後になりますが、今後とも健康に留意され、ホースマンとして研鑽に努め、わが国の競馬発展に貢献すべく、生産界に新たな活力をもたらす原動力にぜひなっていただきたいとおもいます」と、所用で欠席した河野会長理事の式辞を代読した。
研修生を代表して(株)ノースヒルズの熊谷樹さんが謝辞。「われわれ2023年軽種馬後継者研修生七名は、11月6日の開講より、さまざまな分野の講師のかたがたから、多くの専門的な知識・技術を学ばせていただきました。これらの知識・技術は、われわれにとって、とても貴重な財産であり、牧場で生かすことが、われわれ研修生にとって大変重要であり、またやるべきことだと感じております。今回、このような機会を与えていただいた日本軽種馬協会様に心より感謝申し上げます。また、講師のかたがたはもとより、いろいろなサポートをしてくださった生産育成技術者研修生のみなさん、本当にありがとうございました。さらには騎乗に付き合ってくれた研修乗馬たちにも感謝し、われわれ研修生の謝辞といたします」と述べた。
修了式後に行われた懇親会では、来賓として出席した頃末憲治JRA日高育成牧場副場長が「河野会長の式辞にあったように、生産地、生産者がいないと日本の競馬は成り立ちませんので、これから先もよろしくお願いいたします」祝辞。10日間の研修を振り返りながら親睦を深めた。
2023年軽種馬後継者研修カリキュラムは下記の通り。
11月6日 講義 馬体の見分け方(コンフォメーション)
講師:遠藤祥郎氏(JRA日高育成牧場)
11月7日 講義 馬の栄養・飼料について
講師:松井朗氏(JRA日高育成牧場)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月8日 講義 蹄の管理について
講師:橋本孟佳氏(JRA日高育成牧場)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月9日 講義 馬の心理とグランドワーク
講師:頃末憲治氏(JRA日高育成牧場)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月10日 講義 馬の繁殖学
講師:村瀬晴崇氏(JRA日高育成牧場)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月13日 講義 子馬の管理・疾病について
講師:岩本洋平氏(JRA日高育成牧場)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月14日 講義 労働条件について
講師:大串尚哉氏(浦河労働基準監督署)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月15日 講義 腰痛の予防・対処法について
講師:山本泰雄氏(社会医療法人仁陽会西岡第一病院)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月16日 講義 草地・土壌について
講師:渋谷敦子氏(日高農業改良普及センター)
実技 乗馬等 講師:JBBA職員
11月17日 講義 サラブレッドの血統について
講師:頃末憲治氏(JRA日高育成牧場)