強い馬づくりのための生産育成技術講座2023が開催される
11月8日夜、日高町富川東にある門別総合町民センター・2階大集会室において、強い馬づくりのための生産育成技術講座2023が開催された。
強い馬づくりのための生産育成技術講座2023は、JRA日高育成牧場と日高軽種馬生産振興会青年部連合会が主催し、日高軽種馬農業協同組合が後援する講習会。軽種馬の生産育成に携わる関係者への情報提供・技術普及を目的としたもので、今年はコロナ禍前の2019年以来、4年ぶりの現地開催になった。
講習会の開催に先立ち主催者を代表して頃末憲治JRA日高育成牧場副場長は「今回、4年ぶりに強い馬づくりのための生産育成技術講座を現地開催する運びとなりました。この講習会は、日高育成牧場に生産育成研究室が設立された1998年から、JRAの研究業務、育成業務で得られた知見を、生産者のみなさまに還元する目的で始まり、本年で25年という長い歴史がございます。残念ながら、新型コロナウイルス感染症のため、2020年、2021年は中止となってしまいましたが、昨年はオンラインでの開催という流れで開催させていただきました。オンライン開催は、どこでも見られると、ひじょうに評判は良かったのですが、わたしたちといたしましては、こうしてみなさまとフェイストゥフェイスで、顔を合わせて講習会を開きたいと、今回は現地開催のみと、させていただいてますことをご理解ください。今回の講習会では、特別講師として北海道大学で家畜の栄養学、管理学、行動学、草地学など、総合的に取り組んでおられる上田教授にお越しいただいております。日高育成牧場の栄養のテーマとして研究しておりますが、より専門性の高い、マメ科の牧草に関するテーマとして、ご講演いただきます。そのほか、乳母、難産、腰フラ、に関する講演は、いずれも日高育成牧場で経験したことがあり、改善しようと取り組んだ内容となっております。各発表の後には、活発な質疑をいただければ、その後、わたしたちもまた、新たな研究を進めていきたいとおもっております。本講習会が、みなさまのお仕事のお役に立てることを祈念いたします」とあいさつ。続いて中野将大門別軽種馬生産振興会青年部長が「今日は遠いところお集まりいただきありがとうございます。また、JRAの日高育成牧場のみなさまにおかれましては、お産や腰痿や放牧地の管理についての講座をしていただけるということで、とても感謝しております。これらについては、わたしたちの日々の業務に、とても関連があることですので、ぜひ、いろいろと勉強させていただければとおもっております」と感謝の意を表した。
講演会の司会進行は、村瀬晴崇JRA日高育成牧場生産育成研究室長と中野青年部長が担当。JRA日高育成牧場生産育成研究室の浦田賢一氏による「新しい乳母付け法~PGF2α製剤を用いた乳母付け~」、JRA日高育成牧場の岩本洋平調査役による「難産の管理」、JRA日高育成牧場の琴寄泰光主席研究役による「若馬の腰痿」、北海道大学畜牧体系学研究室の上田宏一郎教授による「マメ科牧草の草生割合がマメ科採食量に及ぼす影響」と、4つのテーマで講演が行われた。各講演後には日高や胆振などから出席した牧場関係者から複数の質問が寄せられた。
なお、翌9日夜には、浦河町大通にある浦河総合文化会館4階文化ホールにおいて、同様の講習会が開催された。