馬産地ニュース

浦河町で令和5年度当歳馬品評会が開催される

  • 2023年11月14日
  • 最優秀賞のマルモレイナ2023
    最優秀賞のマルモレイナ2023
  • 表彰された各受賞者
    表彰された各受賞者
  • 参加者全員が審査員となり厳しく審査した
    参加者全員が審査員となり厳しく審査した

 11月10日、浦河町にある若手生産者などで組織する浦河町軽種馬生産振興会青年部と荻伏軽種馬生産振興会青年部は、令和5年度軽種当歳馬品評会を共同で開催した。

 この品評会は両青年部が行う事業の一環。飼養管理技術の向上と部員の親睦を深めることを目的としたもので、本年で13回目を迎える。品評会出陳馬はのちに競走馬として活躍する馬も多く、過去の出陳馬からは2021年のファンタジーS(G3)を制覇したウォーターナビレラ、本年のハイセイコー記念をデビューから無傷の5連勝で制覇したダテノショウグンなどが重賞競走に勝利している。

 本年の品評会には荻伏青年部から5頭、浦河町青年部から4頭、JRA日高育成牧場から1頭の合計10頭が出陳。当日は青年部員や牧場スタッフ、JRA日高育成牧場の浮島理場長、頃末憲治副場長をはじめとした職員、日本軽種馬協会静内種馬場の山本竜太次長、日高軽種馬農業協同組合の職員、日高管内の生産者など約70人が参加した。

 品評会は参加者全員が審査員となり、馬体は20点満点、手入れと展示はそれぞれ10点満点で評価。適切なボディコンディションスコア、ブラッシングにより美しく手入れされているか、馬体全体のバランスといったコンフォメーション、月齢に見合った成長具合(大きさ、骨量など)、蹄油、蹄のうらほり、毛づや、たてがみや前髪、歩様、馴致、馬が人をリーダーとしてリスペクトし、人馬の信頼関係、展示方法、馬装など、細部にわたり厳しい目で審査した。

 また、審査の際には、離乳した月日、現在の放牧時間や放牧の方法、与える飼料の種類や量と回数、出生時や現在の馬体重、出陳した理由、出陳馬のプロファイル、売却済みか、せり市場への上場予定などについても紹介された。

 受賞馬は提出された採点結果の平均点の上位馬から選定。最優秀賞にはオカモトファームから出陳されたマルモレイナ2023、優秀賞1席には杵臼牧場から出陳されたスマートルビー2023、優秀賞2席には宮内牧場から出陳されたシニスタークイーン2023、ベストターンドアウト賞には王蔵牧場から出陳されたラファーガ2023が選ばれた。

 JRA日高育成牧場事務所2階会議室において行われた表彰式では、各受賞者に賞状と記念品を授与。プレゼンターを務めた浮島場長は「わたし自身、19年前に生産地研修生として1年間、浦河町におりまして、今日お伺いした牧場さんを含めて生産地を回らせていただきました。そのときも当時の場長だった増沢さんとともに品評会に参加した記憶があります。わたし自身、専門家ではないので馬体をちゃんと見ることはできませんが、お客様に見てもらう手入れであるとか、馴致というところは、そのときよりも大きく進歩しているなと感じました。今日は失礼ながら点数を付けさせてもらいましたが、どの出陳馬も素晴らしく、とても僅差でした。来年以降も引き続き、このような品評会が開催されることを期待しております」と総評した。

 最優秀賞を受賞したオカモトファームの岡本昂昌さんは「きょうだいもせりではそれなりに高く売れて評価されていましたが、今年は自己馬が3頭と少ないなかから、一番いいなとおもう馬を出陳したところ、こういう評価を受けたのは、ほんとうにありがたいです。来年のせりへ向けて、よりいっそう努力をしていきたいです」とよろこんだ。

成績は下記の通り。

〇最優秀賞
マルモレイナ2023 牝 鹿毛 2023年2月17日生まれ
父ダノンスマッシュ 母の父エンパイアメーカー
オカモトファーム生産

〇優秀賞1席
スマートルビー2023 牡 栗毛 2023年3月17日生まれ
父サートゥルナーリア 母の父ゼンノロブロイ
杵臼牧場生産

〇優秀賞2席
シニスタークイーン2023 牡 栗毛 2023年4月10日生まれ
父ドレフォン 母の父シニスターミニスター
宮内牧場生産

〇ベストターンドアウト賞
ラファーガ2023 牝 黒鹿毛 2023年4月28日生まれ
父ミスチヴィアスアレックス 母の父バランスオブゲーム
王蔵牧場生産