JBC2歳優駿(Jpn3)はフォーエバーヤングが2連勝で重賞初制覇
年末に川崎競馬場で行われる全日本2歳優駿(Jpn1)、そして2024年から本格始動する「ダート三冠」路線に向けた「第4回 JBC2歳優駿(Jpn3)(JBC協会協賛、パイロ賞)」(1800m)が11月3日、門別競馬場で行われた。
2023年もホッカイドウ競馬の2歳馬たちは強い。2日前に行われたエーデルワイス賞(Jpn3)で上位を独占したほか、岩手のジュニアカップ、プリンセスカップ、兵庫の園田プリンセスカップ、南関東の鎌倉記念、平和賞に金沢の金沢シンデレラカップなど今年も全国地方競馬場の2歳重賞で「強いホッカイドウ競馬」をアピールしている地元勢に対して、記念すべき第1回こそ翌年のホッカイドウ競馬三冠馬ラッキードリームに凱歌が上がったものの第2回、3回を連勝して貫録を示しているJRA勢。4回目となる今回もJRAから5頭が参加。合計12頭で争われ、それぞれの意地とプライドをかけて激しいレースが展開された。
レース前、もっとも高い支持を得ていたのは10月14日のデビュー戦を飾ったばかりのフォーエバーヤングだった。安平町ノーザンファームの生産馬でセレクトセールにおける高額取引馬。ドバイターフ(G1)を勝ったリアルスティールの産駒で、祖母の半弟には年度代表馬ゼンノロブロイがいる血統。526kgの馬体を躍動させたそのデビュー戦は、余裕たっぷりのレースぶりだった。
2番人気もJRA所属のサンライズジパング。芝の新馬戦こそ見せ場を作ったのみだったがダートに矛先を切り替えた未勝利戦を圧勝して挑んできた。半兄に青葉賞(G2)4着グランシエロがいる血統でセレクトセール取引馬。ともにキャリアは浅いものの良血の大型馬で将来性も見込まれての人気だった。
迎え撃つ形となったホッカイドウ競馬勢ではサンライズカップを余裕たっぷりに勝ち上がったパッションクライ。送り出す山口竜一調教師は「胸を借りるような気持ちで」と控えめだったが、この馬の強さを信じるファンによって3番人気に押し上げられていた。
デイ開催となったこの日、発送時刻は16時30分。レースの前には来場した東京トゥインクルファンファーレほか、地元の富川高校吹奏楽部も競馬場を盛り上げたが、レースはさらに激しいものとなった。
スタートはスタンド前。5番人気でサンライズカップ2着ブラックバトラーは大きく出遅れるが、ほかはほぼ横一線。その中からJRAのフォーディアライフがハナを切り、2番手にインテンシーヴォでパッションクライが3番手。これら先行集団をみるような位置にサンライズジパングがいて1番人気のフォーエバーヤングは後方3番手でスタンド前を通過。場内がザワつく。
半マイル通過は50.1秒、前半1000m62.3秒だからハイペースとはいえないが、先行勢にとっては息を入れるところがない厳しいペース。そんなレースが動いたのは3コーナーで、ここでパッションクライが先頭を奪い、サンライズジパングがこれを追う展開。直線に入るとサンライズジパングがこれを交わし、独走かと思われたその外からフォーエバーヤングが襲い掛かり、さらに外からは道中、離れた最後方を進んだブラックバトラーが追い込んで3着となった。
デビューから2連勝で愛馬を重賞ウィナーに導いた坂井騎手は「後方からの競馬になったが、馬の力を信じていたし、馬が強かった。次のレースが楽しみです」と充実の表情でレースを振り返った。