JBBA静内種馬場で2023年度軽種馬後継者研修が開講
11月6日、公益社団法人日本軽種馬協会(河野洋平会長理事)は、新ひだか町静内田原にある静内種馬場において、2023年度軽種馬後継者研修の開講式を行った。
軽種馬後継者研修は、わが国の競馬をより一層発展させ、また、生産界の期待に応えうる後継者、スタッドマネージャーを養成するため、JRA日本中央競馬会の助成を得て平成4年に開講。今年ですでに32年の歴史を有し、これまでに276名にのぼる後継者研修修了生を、軽種馬生産界に送り出しているという。
本年度の軽種馬後継者研修は、11月6日から11月17日まで、土曜日、日曜日を除く10日間。今年は、新冠町、新ひだか町、浦河町などから、7人の牧場従業員やスタッドマネージャーが開講式に臨んだ。
開講式で遊佐繁基静内種馬場場長は、「わが国を取り巻く経済情勢については、不安定な世界情勢を受けて、物価高騰や円安、資材不足がつづく状況にあります。このようななか、競馬につきましては、中央・地方ともに堅調な売り上げを維持しており、令和4年度からは、二歳新馬競走およびダートグレード競走にNAR生産牧場賞の交付が開始され、生産地から好評をいただいているところです。一方、軽種馬生産界では、せり市場が継続して好調に推移しており、北海道市場においては、先のオータムセールをもって全日程を終了し、売却総額は170億円を超え史上最高額を記録、7年連続で売却総額100億円の大台を突破しました。これは生産者のみなさまが、強い馬づくりを目指して日々努力し、研鑽を積んだ結果とおもいます。しかし、せり市場は好調でしたが、依然、後継者不足の問題など、軽種馬生産界では、まだ多くの課題を抱えております。この状況を打開するためにも、強い馬づくりはますます重要であり、そのためには、この研修を受講されるみなさんのような意欲的な方々が、優れた技術を身につけていくことが不可欠です。みなさまが本日から受ける研修内容は多岐にわたっており、馬の飼養管理や繁殖など幅広い知識を、最先端の講師にお願いし、わかりやすく研修していただきます。研修中はどうか健康に留意され、ホースマンとしての研鑽に努め、そして、生産界に新たな活力をもたらす原動力にぜひなっていただきたいとおもいます」と、所用で出席が叶わなかった河野会長理事の式辞を代読した。
研修初日は、ミスチヴィアスアレックス、マクフィ、カラヴァッジオ、ノーブルミッション、デクラレーションオブウォー、アニマルキングダムといった繋養種牡馬や種付所、種牡馬厩舎、屋内運動場、軽種馬生産技術総合研修センターといった施設を見学。その後、研修所の講義室において、生産育成技術者研修第45期生とともに、JRA日高育成牧場の遠藤祥郎業務課長による「馬の見分け方(コンフォメーション)」をテーマとした講義に入った。