胆振地区生産育成技術講座2023が開催される
10月31日夜、千歳市北栄にあるANAクラウンプラザホテル千歳2F千歳の間において、胆振地区生産育成技術講座2023が開催された。
胆振地区生産育成技術講座2023は、NAR地方競馬全国協会の補助を受けて実施している軽種馬経営高度化指導研修事業の一環。IBA胆振軽種馬農業協同組合(田中芳郎代表理事組合長)と胆振軽種馬農業協同組合青年部(岩崎義久部長)が共催する講習会で、2019年以来4年ぶりに人を集めての開催になった。会場にはIBAの組合員や青年部員のほか、胆振や日高の生産牧場、育成牧場の職員、獣医師、牧場関係者など約200人が出席した。
講習会の講師にはファームコンサルタントで獣医師である三浦久延氏を招聘。講習会に先立ち主催者を代表して岩崎青年部長は「本日はお忙しいなか、200人以上のみなさまにお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。このようにみなさまを集めての講習会は、2019年以来4年ぶりとなります。コロナ禍の間もオンラインなどで講習会を企画してまいりましたが、やはり、講師の肉声を生で聴いての講習会というのは、頭の入り方がまったく違うとおもいます。本日の講演は、コロナ禍に入社された経験の浅いみなさまにとっては、新しく勉強になる内容だとおもいますし、ベテランのみなさまにとっては、改めて知識を確認するいい機会になるのではないかとおもっております。日中の仕事でお疲れのところとはおもいますが、よろしくお願いいたします」とあいさつした。
「サラブレッドの日々の餌と栄養」を演題に講演した講師の三浦氏は、麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、アイルランド・アメリカでの研修を経てHBA日高軽種馬農業協同組合診療所に臨時獣医師として勤務。その後、新ひだか町静内田原にある千代田牧場、茨城県稲敷郡にあるミホ分場、日高町富浜にあるダーレー・ジャパン・ファーム、白老町東町にあるハラマキファームクリニックにて獣医師としての勤務経験がある。2010年に公益社団法人日本軽種馬協会(JBBA)による栄養管理技術指導者(カウンターパート)養成研修を修了。JBBAより「軽種馬栄養管理コンサルタント」の認定を受け、現在は、生産および育成牧場・飼料メーカー・馬主および調教師へのコンサルティングと診療業務で胆振や日高を日々、いそがしく駆けまわっているという。
講演のなかで三浦氏は、馬の消化器と栄養の観点から、各飼料の特徴や使い方、配合飼料の考え方、牧草、草地の管理など、サラブレッドに負担のかかりにくい効率的な飼料給与について、JBBAが開発した軽種馬牧場管理ソフトSUKOYAKAを使用した表を見せて解説。「4月5月時の青草が生えてきてた時期の飼養管理で気をつけなければならないことがあったら教えてください」、「調教馬の飼養管理について、騎乗などの調教を実施していない日は、調教を行っている日と飼料を変更すべきなのか」など、出席者から寄せられた質問についても独自の見解を示した。
なお、この講習会の映像は胆振軽種馬農業協同組合青年部のYouTubeチャンネルで公開される予定だ。