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エーデルワイス賞(Jpn3)はモズミギカタアガリが重賞初勝利

  • 2023年11月09日
  • 最後方から大外一気を決めたモズミギカタアガリ
    最後方から大外一気を決めたモズミギカタアガリ
  • 黒澤騎手にとっては11年ぶりの重賞勝利をダートグレードで飾った
    黒澤騎手にとっては11年ぶりの重賞勝利をダートグレードで飾った
  • JRAにも挑戦した素質馬が7戦目で重賞初勝利
    JRAにも挑戦した素質馬が7戦目で重賞初勝利
  • 「本当に嬉しい」と声を弾ませた黒澤騎手
    「本当に嬉しい」と声を弾ませた黒澤騎手
  • 米川調教師(左から2人目)にとっても初のダートグレード勝利となった
    米川調教師(左から2人目)にとっても初のダートグレード勝利となった

 世代最初のダートグレード競走はごまかしの利かない門別競馬場ダート1200mコースを舞台に行われるエーデルワイス賞(Jpn3)。過去25回の対戦成績はJRA11勝に対して地方競馬勢14勝とまさにがっぷり四つ。10月中旬から11月1日のJBCウィークへと移設され、北の1番女王決定戦的意味合いが強くなった。

 この日の門別競馬場はあいにくの雨模様。夕方前に1度は上がったものの第9レースを迎える前には雷を伴って再び強く降り出し、メイン競走の前には「やや重」から「重」へ変更されて迎える大一番となった。

 人気の中心となったのは、このレースで過去6勝を記録している地元の角川秀樹厩舎勢。中でも栄冠賞2着のあとフローラルカップで8着に沈んだ後、「長い距離を使ってみたけれども現況では1200mがベスト」(角川調教師)と短距離に戻してオープン特別を快勝したスティールマジック。確固たる中心馬不在の混戦模様ながらも3.0倍と1番人気の支持を集めていた。これに続いたのは同じ角川厩舎のライトヴェール。4月のフレッシュチャレンジ、6月のウィナーズチャレンジと認定競走を2連勝してきた秘密兵器。たっぷりと間隔を空けて挑んだ前走は馬体重24kg増で2着。巻き返しに期待するファンに背中を押されての出走となった。

 対するJRA勢では函館2歳S(G3)3着、すずらん賞3着のスカイキャンバス。中山に戻ってのカンナSはハナを奪えず人気を裏切ってしまったが、小柄な牝馬らしく仕上がりの早さとスピードを武器が武器。北海道での強さを知るファンによって3番人気の支持を集めていた。いずれにしても波乱含みの1戦。馬単の1番人気が13.8倍というのが悩めるファン心理を表していたが、降りしきる雨のなか、レースも激しいものとなった。

 ダッシュ良く飛び出したのはスティールマジックだったが、二の脚利かせてハナを奪ったのはライトヴェール。これにJRAのムーム、ホーリーブライト、スカイキャンバスが絡んでラップがあがる。最初の1ハロンが12.0秒で10.9秒、11.6秒と激しい先行争いが続く。そんな中で「当初は中団くらいに付けるつもりだったが、周りが速くて」(黒澤騎手)と後方待機となったのがフローラルカップ、ブロッサムカップと長い距離を使われてきたモズミギカタアガリ。それでもクローバー賞でハナを切ったスピードを生かして、外を回りながら、3角過ぎからポジションをあげる。

 4角を回って抜け出したのはライトヴェール。1度は完全に抜け出したものの激しい先行争いを演じてきたうえに距離経験がない馬だけに最後100mで失速。襲い掛かったのは同厩舎で1番人気スティールマジックだったが、その外から追い込んできたのがモズミギカタアガリ。黒澤騎手は「思った通りに伸びてくれた」と会心の表情を見せ、送り出した米川調教師も「状態はよかったと思うが、距離がどうかと思っていた。長く良い脚が使えるのがセールスポイント。乗りなれた黒澤騎手が、それを引き出してくれた」と喜んだ。

 勝ったモズミギカタアガリは浦河町の多田善弘氏の生産馬。おばにアイビスサマーダッシュ(G3)優勝馬サチノスイーティーがいる血統でスピードは秘めていた。

 「まだ未完成な部分がある。これからが楽しみ」と米川氏が言うニュースターの活躍に期待したい。