馬産地ニュース

一般社団法人札幌馬主協会が馬産地懇談会を開催

  • 2023年11月08日
  • 新ひだか町で開催された馬産地懇談会
    新ひだか町で開催された馬産地懇談会
  • 一ホースマンの視点から講演する中内田充正調教師
    一ホースマンの視点から講演する中内田充正調教師
  • 牝馬三冠を祝い記念品が贈呈された
    牝馬三冠を祝い記念品が贈呈された

 10月30日夜、札幌競馬場に事務所を置く一般社団法人札幌馬主協会(岡田牧雄会長理事)は、新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテル2階エクリプスホールにおいて、「第19回馬産地懇談会」を開催した。

 馬産地懇談会は札幌馬主協会が行う恒例イベント。生産者が会員の半数以上を占めることもあり、毎年秋に馬産地で開催している。馬産地懇談会は講師を招いての講演と立食懇談会の2部構成。今回の講演の講師には、栗東の中内田充正調教師が招聘された。

 開催にあたり懇談会を主管する事業サービス委員会の秋谷壽之委員長は「本日は、月末というたいへんご多用のところ、このように競走馬関係に携わるみなさまに、たいへん多く出席していただきまして感謝申し上げます。本日は、つい一週間前にリバティアイランド号で牝馬三冠を成し遂げ、また、今季の成績が絶好調の中内田先生を講師としてお招きし、たいへん興味深い講演をしていただくことになっております」とあいさつ。主催者を代表して岡田会長理事は「今回お招きした中内田先生は講師をお願いしたなかで一番若い先生です。われわれと違い、若い人がどういった感覚で調教師をされているのか、興味深いお話を聞けるとおもいますので、たいへん楽しみです」と式辞を述べた。

 「一ホースマンとして」を演題に講演した中内田調教師は、滋賀県出身の44歳。2006年9月にJRA競馬学校厩務員過程に入学、2007年4月に栗東の橋田満厩舎で厩務員、5月に調教助手となり、2012年に調教師免許を取得した。2014年3月9日、第1回阪神競馬第4日目第12競走においてエスジーブルームで初出走し15着。2014年4月26日の第1回福島競馬第5日目第9競走においてキクノラフィカで延べ24頭目で初勝利を記録した。2017年にはJRA賞(最高勝率調教師)、優秀厩舎賞(関西)3位、2018年には優秀厩舎賞(関西)3位、2019年にはJRA賞(最高勝率調教師、優秀技術調教師)、優秀厩舎賞(関西)1位、2021年にはJRA賞(最高勝率調教師)、優秀厩舎賞(関西)3位、2022年にはJRA賞(最高勝率調教師)、優秀厩舎賞(関西)4位の表彰歴がある。主な管理馬にはダノンプレミアム、ダノンファンタジー、グレナディアガーズ、リバティアイランド、セリフォスがいる。

 中内田調教師は前半に、一ホースマン、一調教師の視点から、競走馬のウェルフェア、暑熱対策、人材不足、現在の厩舎制度、引退競走馬など、これからさらに競馬産業が発展するための課題について言及。後半はグリーンチャンネルキャスターの岡部玲子氏が進行役を務め、「新馬戦への出走を決めるに当たっての出走の決め手になるものはありますか?」、「厩務員とのコミュニケーションの取り方はどうしますか?」、「中内田厩舎は2歳戦に良績を残していますが、古馬に比べて2歳馬はメンタルやコンディションの調整等、難しい面が多いですが、なにか意識していることはありますか?」、「牡馬と牝馬で調教パターンを変えたりしますか?」など、出席者から事前に寄せられた質問について答えた。

 講演後は札幌馬主協会を代表して岡田会長理事が中内田調教師にリバティアイランドの牝馬三冠を祝福する記念品を贈呈。会場からは偉業を祝う万雷の拍手が送られた。