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ジェイエス繁殖馬セールが開催される

  • 2023年10月30日
  • 最高価格フライングレディの落札シーン
    最高価格フライングレディの落札シーン
  • 最高価格となったフライングレディ
    最高価格となったフライングレディ
  • 高額2位ベルヴォワ
    高額2位ベルヴォワ
  • 高額3位バーニングヒート
    高額3位バーニングヒート
  • ストレイトアウェイの落札シーン
    ストレイトアウェイの落札シーン
  • 未供用最高価格のストレイトアウェイ
    未供用最高価格のストレイトアウェイ
  • 真剣にチェックする購買者
    真剣にチェックする購買者

 (株)ジェイエス主催の「繁殖馬セール」が10月25日、北海道新ひだか町の北海道市場で開催された。同セールは牝馬の流通促進を目的に1979年にスタート。その長い歴史の中で、同セール取引馬たちは数えきれないほどの活躍馬を送り出してきた。ミックファイアやファストフォース、ジャックドールなどは、同セール出身の繁殖牝馬が生んだ活躍馬たちだ。 今年も3歳の未供用馬から19歳のベテラン繁殖牝馬まで181頭(受胎馬147頭、未供用含む空胎馬34頭)が上場され、131頭(受胎馬112頭、空胎馬19頭)が、総額726,957,000円(消費税込み)で取引された。

 売却率72.4%は前年比9.6pt減。上場頭数が13頭減だったことも影響し、総売上げも258,060,000円減という結果になった。

 最高価格はラブリーデイを受胎しているフライングレディ(10歳、父ディープインパクト)。その母ピンクカメオが2007年NHKマイルカップ(Jpn1)の優勝馬で、おじには2001年安田記念(G1)優勝ブラックホークなどがいる良血ファミリー。フライングレディ自身も遊楽部特別含む3勝という活躍牝馬だった。争奪戦は激しいものとなったが、(有)コスモヴューファームが45,100,000円で落札した。

 高額2位はニューイヤーズデイ受胎馬のベルヴォワ(7歳、父ディープインパクト)。自身は1勝ながらも1勝クラス条件戦で2着2回3着2回(交流競走含む)という成績で、母アルーリングボイス、祖母アルーリングアクトが小倉2歳S(G3)、同3歳S(G3)優勝馬というファミリー。35,200,000円で(株)レイクヴィラファームが落札している。

 これに次いだ高額3位はイスラボニータを受胎しているバーニングヒート(4歳、父ドレフォン)。自身は入着どまりながらも、その母リーサルヒートが米国ハリウッドオークス(G2)優勝馬という血統。(有)宮内牧場が34,100,000円で落札している。

 また、空胎馬の最高価格はJRA3勝馬で、2012年フローラS(G2)優勝馬ミッドサマーフェアの半妹メンデンホール(10歳、父アドマイヤムーン)で13,750,000円。追分ファームが購入している。

 なお、未供用馬では、今月10日に門別競馬場で2勝目を挙げたばかりのストレイトアウェイ(3歳、父ロードカナロア)。おじに米国年度代表馬2回カーリンがいる血統。(有)猿倉牧場が4,840,000円で落札した。

 セール終了後、(株)ジェイエスの服部健太郎社長は「繁殖馬セールは上場馬の質が、その年の成績に大きく影響する。今回に関して言えば、欠場が多く、上場頭数が少なくなってしまった中では満足できる数字だと思う。これまでの歴史を振り返ると、このせりは取引価格帯に関係なく、活躍馬の母となっているケースが多い。そういったことをアピールしていきたいと思うし、これから冬季セールがより良いせりになるよう準備を進めていきたい」とコメントしている。