北海道静内農業高等学校で藤沢和雄氏の講演会が行われる
10月13日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長)体育館において、藤沢和雄氏の講演会が行われた。
この講演会は、文部科学省によるマイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)に伴う講義。講演会には生産科学科馬事コース2年生の生徒が受講した。北海道静内農業高等学校は令和3年度からマイスター・ハイスクール事業の指定校に認可されており、軽種馬の生産から育成、せりでの販売などを手がける生産科学科馬事コースでは、JRA日本中央競馬会や公益社団法人日本軽種馬協会、日高軽種馬農業協同組合などと連携し、軽種馬に関する専門的な知識や技術を学んでいる。
講師に招かれた藤沢氏は元JRA調教師。1951年に苫小牧市で生まれ、1977年からJRAの調教助手になり、1981年の日本ダービー馬カツトップエース、1984年のクラシック三冠馬シンボリルドルフなどを育てた。1988年に美浦トレーニングセンターで調教師として開業。令和4年2月に勇退した。JRA通算勝利数1570勝は歴代2位。1991年にJRA賞最高勝率調教師を受賞したのを皮切りに、数多くのJRA賞を受賞した。主な管理馬にはシンコウラブリイ、バブルガムフェロー、タイキブリザード、シンコウキング、タイキシャトル、スティンガー、シンボリインディ、ゼンノエルシド、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、ダンスインザムード、スピルバーグ、ソウルスターリング、サトノアレス、レイデオロ、タワーオブロンドン、グランアレグリアがいる。令和3年には農林水産大臣賞(第3回競馬功績者表彰)を受賞。令和4年には顕彰者として競馬の殿堂入りした。調教師勇退後はJRAとのアドバイザリー契約を締結し、競馬の発展に資する意見や助言をしている。
「今後の馬産業を考える会」と題した講演会で藤沢氏は、「なぜ調教師になろうとおもったのですか」、「調教師になるために努力したことはありますか」、「馬と接するうえで一番大事にしていることを教えてください」、「厩舎スタッフの方たちに求めることを教えてください」、「藤沢先生がおもう馬の魅力は」、「いままでで一番印象に残っているレースはなんですか」、「一番心に残っている担当馬はいますか」、「ホースマンとして必要だとおもう資質を教えてください」、「自分の持ち馬以外で、この馬を担当したかったとおもった馬はいますか」、「馬の飼料でこだわっていたところはありますか」、「馬とコミュニケーションをとる際に気をつけていることはありますか」といった生徒の質問に対して丁寧にアドバイス。休み時間には生徒からの記念撮影、サイン、相談にも気軽に応じた。
最後は生徒を代表して三浦聖晴さんが「本日はご講演ありがとうございました。藤沢先生からのアドバイスや馬の扱い方などを聞くことができて有意義な時間になりました。のこりの高校生活やこれからのホースマン人生を歩んでいくうえで、今回の話を心がけて、勉強や仕事に繋げ下られるよう頑張っていきます」と謝辞。藤沢氏からは「みなさん頑張ってください」と激励した。