ブロッサムカップはヴィヴィアンエイトが重賞初制覇
2歳牝馬の長距離重賞「JRA認定第11回ブロッサムカップ」(JBC協会協賛、ニューイヤーズデイ賞)が10月11日、門別競馬場で行われ、3番人気で松井伸也騎手騎乗ヴィヴィアンエイトが早め先頭からゴール前での追撃をしのいで優勝。デビュー3戦目で重賞ウィナーの仲間入りを果たした。
フリオーソ産駒のヴィヴィアンエイトは日高町の沖田牧場生産馬で、北海道市場セプテンバーセール取引馬。高祖母ミラクルミユキが第4回ジャパンカップ(G1)優勝馬カツラギエースの半妹という血統だ。
7月31日の能力検定を楽な手応えのまま1位入線を果たしたときから「大物」の呼び声高く、それは8月9日のデビュー戦「JRA認定フレッシュチャレンジ競走」で、当時から大物と評判高く、のちにウィナーズチャレンジ競走を4馬身差で勝つことになるキタノヒーローをハナ差抑えて勝利を収めたことで、さらに現実のものとなった。
「前走のフローラルCはいきなりの距離延長に加えて、デビュー2戦目の重賞挑戦だったにもかかわらず期待を超える走りをしてくれた。あのレースは馬にも(騎乗する)ジョッキーにも自信になったと思う」と齊藤正弘調教師。「1週前にしっかりと負荷をかけ、直前は軽め」。これで、前走わずかながら減っていた馬体重からプラス10kg。齊藤調教師自ら「馬の体調に関しては自信をもって送り出したし、実際パドックでも調子は良さそうに見えた」と、昨年のフルールカップ(優勝馬アサクサロック)以来の重賞制覇へ期待を込めて愛馬を送り出した。
レース前、人気を集めていたのは前哨戦的位置づけにあるフローラルカップを勝ち、前走のラピスラズリ特別で牡馬の一線級を相手に56kgを背負って2着しているアメリアハートだった。コーナー4回の外回りコースは初めてだが、レース運びに注文がつくタイプでもなく2つめの重賞タイトルへむけて視界良好2.2倍というオッズだった。
レースは、前走まで短距離を中心に使われていたラブミーエールが先導する形で始まったので、入りはハイペースで始まった、2番手には「前走(ウィナーズチャレンジ競走)の内容が物足りなかったので、負荷をかけた」というフリーパスポートが続き、並ぶようにヴィヴィアンエイト。人気のアメリアハートはこれらを見るような位置でレースは流れた。3角手前からラブミーエールが苦しくなってフリーパスポートが先頭に立とうとしたところを“もったまま”で並びかけ、そして交わしていったのがヴィヴィアンエイトだった。
「少し早いかなと思ったが、前走、少し窮屈になるようなシーンがあったので強気に行った」と松井騎手。2歳馬がタフな門別の馬場を走って最後の2ハロンは13秒7、13秒6という加速ラップ。「最後は苦しくなったけれども、この苦しさが次につながれば」と齊藤調教師。次走は未定とのことだが「まだまだ成長途上。いろいろな選択肢の中からオーナーと相談して決めたい」と力強くレースを締めくくった。