馬産地ニュース

うまキッズ探検隊が木村秀則牧場を見学

  • 2023年10月13日
  • ミスペンバリーとの記念撮影
    ミスペンバリーとの記念撮影
  • G1ホースの母親で引き馬を体験した
    G1ホースの母親で引き馬を体験した
  • 厩舎作業も楽しんだ
    厩舎作業も楽しんだ

 10月7日、新ひだか町教育委員会が主催し一般社団法人umanowaが企画・運営する「ひだかうまキッズ探検隊2023」は、新ひだか町静内駒場にある木村秀則牧場を見学した。

 新ひだか町在住の小学校3年生から6年生を対象にしたひだかうまキッズ探検隊の活動は本年度、6月に行われたライディングヒルズ静内、7月に行われたビッグレッドファーム、8月に行われた公益財団法人軽種馬育成調教センター、9月に行われた札幌競馬場、特別編の門別競馬場キャンプ、アロースタッドとレックススタッドに続き7回目。13人が参加した。

 探検隊が初めて訪問した木村秀則牧場は、2011年に開場。生産牧場として比較的新しいが、世界最高賞金レースとして有名な2023年のサウジC(G1)をはじめ、2022年のドバイターフ(G1)、2022年の中山記念(G2)、2021年の福島記念(G3)などを制覇したパンサラッサ、2021年の京王杯2歳S(G2)などを制覇したキングエルメス、2020年の七夕賞(G3)、2019年の福島記念(G3)などを制覇したクレッシェンドラヴなどの重賞勝ち馬の故郷として知られている。

 子どもたちを出迎えた木村さんは、最初の事務所でパンサラッサのレース映像を流し、サラブレッドの歴史、サイアーライン、血統などについて説明。続いてパンサラッサの母であるミスペンバリーをお披露目した。

 ミスペンバリーは父がモンジュー、母がステッチング、母の父がハイエステイトという血統のアイルランド産馬。現役時代は7戦未勝利で終わったが、繁殖入りするとパンサラッサのほか、2012年の青葉賞(G2)2着のエタンダール、2019年の京成杯オータムH(G3)2着のディメンシオンなどの産駒を送り出した。2022年にレイデオロを父に持つ牡馬を出産したのを最後に繁殖生活を引退。21歳となり現在は功労馬として余生を送っている。

 木村さんはミスペンバリーについて「現役時代は未勝利で終わり、繁殖としてあまり自信はありませんでした。それでも初仔(クリサンセマム)からいい子を産んでくれて、パンサラッサまで産んでくれました。これまでに8頭の子どもがデビューして4頭の子どもが勝ち上がるという、とても優秀なお母さんです。ふだんからとてもおとなしくて、一度教えたことは絶対忘れない賢い馬です。ミスペンバリーがパンサラッサを生んでくれたことで、いろいろな人たちとの関係が広がり繁殖牝馬を預託してくれる馬主さんにも巡り合うことができ、優秀な繁殖牝馬が集まるようになりました。ミスペンバリーにはほんとうに感謝しています。お母さんは引退しましたが、最後まで面倒を見てあげるつもりです」と話した。

 子どもたちはミスペンバリーの引き馬を体験。風が強いなかでの見学とあってミスペンバリーの首筋や体に手を当てて「暖かくて気持ちがよい」とよろこんでいた。