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育成技術講習会in北海道が行われる

  • 2023年10月13日
  • 大好評だった育成技術講習会in北海道
    大好評だった育成技術講習会in北海道
  • 講師を務めた大村一上席臨床獣医役
    講師を務めた大村一上席臨床獣医役
  • 主催者を代表してあいさつする荻野豊北海道支部長
    主催者を代表してあいさつする荻野豊北海道支部長

 10月4日夜、新ひだか町静内古川町にある新ひだか町公民館・コミュニティセンターにおいて、育成技術講習会in北海道が行われた。

 この講習会は公益社団法人競走馬育成協会の主催で、JRA日本中央競馬会、公益財団法人軽種馬育成調教センターが共催。当日は夜からの開会にもかかわらず、日高管内や胆振管内の生産者や育成調教技術者など約100人が集まった。

 講習会の開催にあたり、主催者を代表して公益社団法人競走馬育成協会北海道支部の荻野豊支部長は「当会主催の育成技術講習会は、平成24年よりコロナ禍の中止を挟んでおりますが、今回で10回目となり、たいへん好評をいただいております。さて、今回のテーマは、競走馬のトレーニングについて、です。講演では、本年の夏、みなさんが苦しんだ暑熱対策や反復トレーニング、トレッドミルを用いた調教法についてお話していただくこととしました。そこで、この度の講師を、JRA美浦トレーニングセンター競走馬診療所上席臨床獣医役の大村一さまにお願いいたしました。大村先生におかれましては、ご多忙にもかかわらず講習会を引き受けていただきまことにありがとうございます。この場を借りて改めてお礼申し上げます。また、ご出席のみなさまにおかれましては、かならず役立つお話をいただけると存じます。この講習会が、有意義なものになりますことを祈念いたします」とあいさつした。

 「競走馬のトレーニングについて」を演題に講演した大村上席臨床獣医役は、1995年にJRAに入会。美浦トレーニングセンターで臨床を経験後、日高育成牧場や競走馬総合研究所において、競走馬の心肺機能やトレーニングに関する研究を長きに渡り取り組んで、獣医学博士号を取得した。現在は美浦トレーニングセンターの臨床の現場での診療と、厩舎に向けた調教方法のアドバイスなど両翼で活躍している。

 大村上席臨床獣医役は、競走馬の熱中症と暑熱対策、トレッドミルを用いたトレーニング、低酸素トレーニングについて説明。出席者からの「熱中症の発症は調教中なのか、それとも調教を終えてからなのですか?」、「低酸素トレーニングはどれくらいで慣れますか?」、「低酸素トレーニングをした翌日に強い騎乗調教をしても良いのですか?」、「暑熱対策の冷却効果が表れる時間はどれくらいですか?」、「暑熱対策で冷たい水をかけても馬の心臓に負担はかからないのか?」、「暑熱対策で水を重点的にかける部位はあるのですか?」といった質問に対しても、わかりやすく解答した。