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ネクストスター門別はトラジロウが5連勝で重賞2勝目

  • 2023年10月11日
  • 2つの重賞タイトル含み5連勝を達成した
    2つの重賞タイトル含み5連勝を達成した
  • 「ネクストスター門別」初代チャンピオンに輝いたトラジロウ
    「ネクストスター門別」初代チャンピオンに輝いたトラジロウ
  • 「距離は伸びても大丈夫ではないか」と桑村騎手
    「距離は伸びても大丈夫ではないか」と桑村騎手
  • 角川調教師(左から3人目)は今季重賞7勝目
    角川調教師(左から3人目)は今季重賞7勝目

 1着賞金1,000万円というホッカイドウ競馬の新設重賞「ネクストスター門別」が10月5日、門別競馬場1200m(曇り、稍重)で行われ、新ひだか町の棚川祐志氏の生産で、桑村真明騎手騎乗の1番人気トラジロウが、最後の直線外から伸びて1分14秒0で優勝。デビュー2戦目の初勝利から5連勝で2つ目の重賞タイトルに輝いた。

 今年のホッカイドウ競馬は、この日までに行われた8つの2歳重賞すべてが勝ち馬が異なるという混戦模様。11頭立てで行われたこのレースは、これまで1600m未満で行われた5つの重賞競走のうち牝馬限定競走フルールカップ優勝馬ヨシノヒローインを除く4頭が顔をそろえるという文字通りの「ネクストスター」選抜戦となった。

 その中で1番人気に支持されたのはデビュー2戦目の初勝利から9月のイノセントカップまで4連勝中のトラジロウ。非凡な先行力を持つ馬だが、8月のターフチャレンジはまさかの出遅れから後方一気。どんな競馬でもできることを証明していた。2.0倍。

 そのトラジロウに待ったをかけようというのは栄冠賞まで3戦3勝ストリーム。前走イノセントカップは人気を背負っていただけに正攻法の競馬を選択せざるを得なく、インコースを強襲したトラジロウに屈したが、それでも2着を確保するあたりは実力がなせるもの。追われる立場から追う立場になって復権を狙う存在となった。3.3倍。

 3番人気はリリーカップ優勝のシシャモフレンド。前走のフルールカップは逃げて3着と距離の壁を感じさせるものとなったが、距離を1度経験したことで巻き返しを狙う存在となっていた。7.3倍。以下、エイシントルペード9.4倍、オスカーブレイン11.8倍と続いた。

 レースはスタートでチャンチャンが落馬、競走中止するという波乱の幕開け。サッポロクラシックカップを逃げ切り、栄冠賞、イノセントカップでもレースを引っ張った快足オスカーブレインがハナを奪う。これに絡んでいったのは未勝利、条件戦を2連勝中のリュウワンカノアで、イノセントカップ3着のモノノフブラックがこれを追う。トラジロウはこれらを見るような好位のイン。スタートから行く気がなかったシシャモフレンドはともかく、ストリームは岩橋騎手が鞭を入れながらの追走で、それでも置かれ加減。勝負を決めたのは3角過ぎ。オスカーブレインがペースを落そうとしたところ、十分な手応えを感じながら追走したトラジロウの桑村騎手が「少し早いかなと思ったが」と強気に前を追い、早め先頭から後続を突き放した。2着には好位を進んだモノノフブラックがそのまま粘りこみ、逃げたオスカーブレインが3着。4角を後方2番手で回った2番人気のストリームは最後、よく追い込んだが4着までだった。

 ネクストスター門別の初代チャンピオンに輝いたトラジロウの角川調教師は「やっぱり嬉しい」と相好を崩し、「砂をかぶっても嫌がらないし、どんな競馬でもできるのが強み」と愛馬を称えた。距離に関しては「やってみないと分からない」と慎重な構えを見せたが、今後については「オーナーと相談したうえで」遠征を視野に入れていることを明かしている。強いホッカイドウ競馬を代表する1頭が全国制覇を目論んでいる。