技術指導者向けの肢蹄管理技術講習会が開催される
9月26日、公益社団法人日本軽種馬協会(JBBA)は、新ひだか町静内田原にあるJBBA静内種馬場研修所において、技術指導者向けの肢蹄管理技術講習会を開催した。
この講習会は、NAR地方競馬全国協会の補助を受け実施している、軽種馬経営高度化指導研修事業の一環。講師には桑野睦敏JRA競走馬総合研究所上席調査役、諌山太朗日本装削蹄協会装蹄教育センター調査役の2名を招いた。
当日は日高や胆振管内の装蹄師や獣医師約50人が出席。講習会の開催に際し山本竜太JBBA静内種馬場次長は「本日はご多忙のところ、講習会に多数のご参加を賜り、まことにありがとうございます。昨日は、エクリプスホテルにおいて軽種馬生産者のための肢蹄管理技術講習会を実施しており、多数のご参加をいただきました。本日は技術指導者向けの肢蹄管理技術講習会ということで、獣医師、装蹄師のみなさま向けの、より専門的な内容と伺っております。これまでJBBAではさまざまな分野の研修を行ってきましたが、本日の講習会は、桑野睦敏さまと諌山太朗さまをお迎えし、蹄に関する2つのテーマでご講演いただきます。本日の講習会の内容を、みなさまの業務の一助としていただき、地域に還元していただければ幸いです」とあいさつした。
「競走馬の蟻洞の実態について」を演題に講演した桑野上席調査役は、平成元年に麻布大学獣医学部獣医学科を卒業しJRAに入会。栗東トレーニングセンター競走馬診療所で4年間、診療業務を経験したのち、平成5年から競走馬総合研究所で研究業務に従事し、その間、日本装削蹄協会での勤務経験もある。
桑野上席調査役は、JRAトレーニングセーター繋養馬における蟻洞の発生状況調査に基づいたデータを紹介。近年の蟻洞発生の動向、性別によって差があるのか、季節によって偏りがあるのかなどについて細かく解説した。
「接着装蹄について考えよう~各装蹄法の蹄機作用と蹄の生長~」を演題に講演した諌山調査役は、平成13年に装蹄師としてJRAに入会。以降、美浦・栗東のトレーニングセンター、競走馬総合研究所、日高育成牧場、東京競馬場などで経験を積み、平成29年に指導級認定装蹄師となった。また、平成26年には第67回全国装蹄競技大会に出場して総合優勝に相当する最優秀賞を受賞し、装蹄師の頂点に立った。本年から日本装削蹄協会装蹄教育センターに勤務。教官として装蹄師の卵たちの技術指導をしている。
講演の中で諌山調査役は、釘打ちと接着での蹄機作用の違い、釘打ちと接着での蹄の生長比較、いろいろな接着装蹄方法を紹介。接着装蹄を行う際は、その適応を慎重に見極めることを説明した。