馬産地ニュース

JRA日本中央競馬会の北海道セプテンバーセール購買馬がJRA日高育成牧場に移動

  • 2023年10月10日
  • 12頭が入厩したJRA日高育成牧場
    12頭が入厩したJRA日高育成牧場
  • マイクロチップによる個体識別
    マイクロチップによる個体識別
  • 念入りに馬体チェックが行われた
    念入りに馬体チェックが行われた

 9月25日、JRA日本中央競馬会が北海道セプテンバーセールで購買した1歳馬が、浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場に移動した。

 JRAは、新ひだか町静内神森にある北海道市場を会場に、9月19日、20日、21日に開催された日高軽種馬農業協同組合主催の北海道セプテンバーセールにおいて、牡12頭、牝4頭の合計16頭を総額142,120,000円(税込)で購買。JRA日高育成牧場には16頭のうちの牡10頭、牝2頭の合計12頭が移動してきた。

 生産者やコンサイナーが連れてきた12頭は、遠藤祥郎JRA日高育成牧場業務課課長ら職員による馬体検査や歩様検査、マイクロチップ個体識別、採血を終えるとネームプレートが設置された馬房へ入っていた。

 6月の九州1歳市場から始まった今年の1歳市場でのJRAの購買は、北海道セプテンバーセールで終了。今年は国内で開催された6つの1歳市場において、合計74頭(牡37頭、牝37頭)を総額683,100,000円(税込。以下同)で購買した。

 2022年生産のJRA育成馬は、74頭にJRA日高育成牧場生産のJRAホームブレッド8頭(牡5頭、牝3頭)を含め82頭(牡42頭、牝40頭)になる。種牡馬産駒別ではノーブルミッションが7頭(牡3頭、牝4頭)、アニマルキングダムが4頭(牡3頭、牝1頭、エスケンデレヤが4頭(牡2頭、牝2頭)など、全部で44頭の種牡馬の産駒がいる。

 82頭のうちJRA日高育成牧場では60頭(牡31頭、牝29頭)を繋養。来年のJRAブリーズアップセールでの売却へ向けて最先端のトレーニングを取り入れて競走馬として育てていく。

 育成調教の陣頭指揮を執る遠藤課長は「今年の育成馬は、去年の調教をベースにしていきますが、去年の育成馬がデビューは早いんですが勝ち上がりが遅かったので、少し調教の強度を強めて、もう少し早い時期に勝ち上がれるようにがんばりたいです。すでにセレクションセールで買った馬たちは調教をはじめていますが、そのなかでもとくにノーブルミッションの産駒がかなり動きがよいので期待しているところです」と話した。

 JRA育成馬の2歳世代は、JRAブリーズアップセール上場時に調教進度遅れだったJRAホームブレッドのマリンバンカーが9月17日の中山競馬4レースのメイクデビュー中山で新馬勝ち。馬の状態によって無理せず競走馬になったあとのこと考えた調教方針が好結果につながった形だ。遠藤課長は「厩舎サイドの理解があっての結果と感謝しています。JRAホームブレッドだったので繁殖班も喜んでいましたし、そういう馬でも新馬を勝てるんだということで、わたしたちも励みになりますし、このデータを今後に生かしていきたい考えてます。育成馬を用いてのいろいろな取り組みや試みをしていますので、その成果は映像や講演会などを通してみなさまに発表していきたいです」と抱負を語った。