瑞穂賞はサンビュートが勝利で重賞2勝目
ホッカイドウ競馬を締めくくる「道営記念」に向けての重要なステップレースJBC協会協賛デクラレーションオブウォー賞「第56回瑞穂賞」が9月28日、門別競馬場1800m(曇り、稍重)で行われ、日高町の(株)ケイズによる生産馬で、落合玄太騎手騎乗の1番人気サンビュートが楽に抜け出し、1分56秒1で快勝。大一番へ盤石の構えを見せた。
サンビュートは昨年の道営記念優勝馬。ホッカイドウ競馬のシーズン終了後は前年同様に活躍の場を求めて南関東へ移籍するも、思うような結果を残すことができずに帰厩。6月22日の赤レンガ記念を始動戦としていた。この時は最後の直線で昨年の王冠賞優勝馬エンリルを外から交わしてねじ伏せたものの、巧みにインコースを通ったハセノパイロに足元をすくわれるようにして惜敗。その後は重賞路線を歩まずに長距離の準重賞を使って完勝。能力と、新しい門別競馬場の砂との相性を確認すると、暑い夏場を避けるように8月は出走せずに大一番へ向けて調整されてきた。
この日のレースは、サンビュートにとっては今シーズンのホッカイドウ競馬3戦目。発表された馬体重はプラス6kgながらもフレッシュな状態であることは間違いないが、瑞穂賞の1800mは、サンビュートにとって若干の距離不足と指摘する声もあった。しかし「14日の1週前追い切りと、24日の本追い切りに騎乗して調子の良さは確認していました」と落合騎手は自信をもって挑んだという。
レースは快足エンリルに川崎競馬から移籍してきたJRA 3勝馬スコルピウスが絡むような展開。昨年の2冠馬シルトプレの手綱を通してエンリルの強さを知る石川騎手は、この快速馬を楽に逃げさせまいとぴったりとマークする。結果、2頭が後続を離すような展開となり前半の3ハロンは38.6秒で、半マイル通過は51.0秒。よどみのないペースで流れて、前半1000m通過は63.3秒。離れた3番手にはレース巧者のグリントビートがつけ、サンビュートはその直後。以下、旭岳賞勝ち馬イダペガサスらが団子状態で続き、最後方に瑞穂賞連覇を狙うドテライヤツという展開。
そんなレースが動いたのは3角過ぎ。昨年の王冠賞でシルトプレの三冠を阻んだエンリルが自慢のスタミナを武器にリードを広げて逃げ込みを図る。石川騎手は無理に追いかけることをせずに1度下げて息を入れたが、逆に「早めのスパートを心掛けていた」という落合騎手のサンビュートが外を回りながら一気に仕掛けてくると2頭は4コーナーから馬体を併せるようにエンリルを追う展開となった。
「結果を出せて嬉しい。道中は位置取りよりもサンビュートのペースを守ることだけを考えていた。3コーナーで仕掛けると反応よく、このときに勝利を確信した」と落合騎手。残り200mでエンリルに並びかけると一気に突き放して先頭ゴールイン。積極的なレースをしたスコルピウスがゴール前でエンリルをとらえてJRA 3勝馬の貫録を示している。
このあと、無事ならば道営記念2連覇を狙うサンビュート。「まだまだ目標がある馬。最大目標に向けて頑張っていきたい」と落合騎手。史上5頭目の連覇へ向けて視界は良好のようだ。道営記念は11月9日、門別競馬場で行われる。