サンライズカップはパッションクライが重賞初制覇
JBC2歳優駿(Jpn3)と同じ舞台で行われる「第23回サンライズカップ」は重要な前哨戦。昨年の2着馬ベルピット、一昨年の優勝馬ナッジはともに地方競馬勢最先着の2着で、20年も本レースをステップに挑んだトランセンデンスが2着するなど関連性の高いレースとして知られている。
今年、人気の中心は8月に1700mで行われた「ブリーダーズゴールドジュニアカップ」組。
中でも「フレッシュチャレンジ」「ブリーダーズゴールドジュニアカップ」を連勝してきたブラックバトラーは。昨年のNAR2歳チャンピオンシリーズ優勝馬スペシャルエックスを送り出した新ひだか町の増尾牧場による生産馬で、前走は、初めて経験する控える競馬となったが、後方インで息を潜めるように脚を溜めると最後の直線で逃げ込みを図るカプセルを強襲。休み明け、昇級初戦、そして重賞初挑戦というハンデを乗り越えて重賞ウィナーの仲間入りを果たしている。シニスターミニスター産駒だけに距離延長は望むところで、最終的なオッズは2.3倍。
差がない2番人気には「ブリーダーズゴールドジュニアカップ」2着カプセル。当時は逃げ込み寸前をブラックバトラーに交わされてしまったものの、ここまで2つの重賞出走含め【2-1-2-0】。早くから期待されていた馬だけに巻き返しが期待されていた。2.6倍。
これらに挑戦状を叩きつける格好となったのが2歳オープン競走「クンツァイト特別」を楽勝してきたパッションクライ。デビュー2戦目のウィナーズチャレンジではカプセルに真っ向勝負を挑んで跳ね返されてしまったが、キャリアを積み、さらに距離延長を味方に逆転を狙っての出走となった。4.8倍。
レース直前、ティントレットのゲート入りを待っている間に、先に入っていた7番人気だったプラセボがゲート内で座り込むような格好になって競走除外。結局、9頭立てで争われることとなったが、レースはダッシュよく飛び出したカプセルにパッションクライが早めに絡んで、激しいものとなった。前半3ハロンは37秒9で、半マイル通過は50秒9。この2頭を射程圏内に、やや離れた3番手にブラックバトラーが続く。人気馬、有力馬が作り出すよどみのないラップは時計以上の消耗戦となり、4番手以下が離される展開。レースが動いたのは3角手前。「どんな競馬もできる馬なので、道中はいつでも動けるようリズムを重視した」と桑村騎手が手綱を取るパッションクライがカプセルに並びかけ、それを待っていたかのようなタイミングでブラックバトラーも大外を回りながら進出するも前走のような伸びがない。結局、抜け出したパッションクライを追いかける馬はなく、そのまま1分56秒7で優勝。JBC2歳優駿(Jpn3)へ弾みをつけた。
JBC2歳優駿(Jpn3)は11月3日、門別競馬場で行われる。