うまキッズ探検隊が札幌競馬場を見学
9月9日、新ひだか町教育委員会が主催し一般社団法人umanowaが企画・運営する「ひだかうまキッズ探検隊2023」は、札幌市中央区にあるJRA日本中央競馬会の札幌競馬場(越智直弘場長)を見学した。
ひだかうまキッズ探検隊は、今年で7年目を迎える新ひだか町在住の小学校3年生から6年生を対象にした、馬の歴史・文化・仕事を「見る・知る・学ぶ」取り組み。6月のライディングヒルズ静内、7月のビッグレッドファーム、8月の公益財団法人軽種馬育成調教センターに続き今年4回目の活動となった今回は札幌競馬場が舞台になった。
札幌競馬場に入場した一行は、最初にレースに出走させる馬主や来賓らが利用する来賓室や馬主席、競馬の着順を判定する職員が働く決勝審判室を見学。続いて厩舎、競走馬がレースに出走するための準備をする装鞍所、レースに出走する馬がお客様に馬体を披露するパドック、レースに騎乗する騎手が重量を調整する検量室、芝コース、ダートコース、レースに優勝した馬主や、生産者、厩舎関係者などを表彰するウィナーズサークルと、競走馬がレースに出走するための経路を見て回った。
厩舎を案内した藤沢流副場長は「札幌競馬場は開催が終わったのでいま、厩舎には1頭もいませんが、競馬開催中は最大で650頭くらいがここの厩舎で暮らしてレースに備えます。馬と一緒に馬を世話する人も厩舎で生活します。ですから競馬開催中には300人から400人、この周辺の人口が増えます」と説明。検量室では「騎手はレースに騎乗するとき定められた重量になるようにします。重量が足りない場合は重りで調整します。重りは100g、200g、300g、400g、500gとあります。重りの色は競馬の枠番号の色に合わせて、100gが白、200gが黒、300gが赤、400gが青、500gが黄色となっています。騎手はズルをしないようレースの前とレースの後に重量を図ります。マイナス1㎏を超えると失格になります。騎手は重りを身につけたり、鞍に付けたり、あるいは騎手によってはブーツの中に入れるケースもあります」と不正がないように厳正に競馬が開催されていることを伝えた。
パドックでは、2004年に新ひだか町静名目名の岡田スタッドで生まれ、2005年の北海道サマーセールにおいて11,550,000円(税込)で(有)ビッグレッドファームが購買し、(株)サラブレッドクラブ・ラフィアンの名義で競走生活を送り、2008年のスワンS(G2)、2006年の京王杯2歳S(G2)を含め36戦6勝の成績を残し現役を引退した後、2011年から2023年の札幌開催まで札幌競馬場で12年間、誘導馬を務めたマイネルレーニアが探検隊を出迎え。岡田スタッドの岡田牧雄社長や、(有)ビッグレッドファームの蛯名聡マネージャー、越智場長ら関係者も駆けつけ、子どもたちと一緒に長年の労をねぎらった。
岡田社長は「生まれたときからとてもおとなしくて競走馬として大丈夫かと心配したほど。こんなに走るとはおもわなかったですし、誘導馬として長く活躍してくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と回顧。子どもたちは額や頬をやさしく愛撫しマイネルレーニアとの別れを惜しんだ。
また、コースに入った子どもたちに藤沢副場長は「芝コースはグルーッと一周すると1,640mあります。長さは競馬場によって違いがあります。競馬場のコースをつくるときにJRAが一番気にするのは、どの馬もきちんと力が出せるようにすることです。場所によってばらつきがないこと、凸凹していたり、硬くなってないか、柔らかいところがないこと、クッションが良いことに注意しています。今年の開催は雨が多く少し馬場が荒れてしまっていますが、これまでに不良馬場と発表されたことは一度もありません」と胸を張った。
最後は子どもたちと藤沢副場長が芝コースでかけっこ。子どもたちは普段は関係者以外立ち入りできないエリアに潜入し、競馬開催の裏側や大変さを知った。