馬産地ニュース

第1回担い手経営管理研修が行われる

  • 2023年09月15日
  • 法律がテーマになった第1回担い手経営管理研修
    法律がテーマになった第1回担い手経営管理研修
  • リスク管理の重要性を説いた講師の村中徹弁護士
    リスク管理の重要性を説いた講師の村中徹弁護士
  • 出席者からはトラブル回避に関する質問が寄せられた
    出席者からはトラブル回避に関する質問が寄せられた

 9月5日夜、新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテル2階エクリプスホールにおいて、第1回担い手経営管理研修が行われた。

 この研修は日本軽種馬協会の令和5年度軽種馬経営高度化指導研修事業のひとつ。馬産地において喫緊の課題となっている担い手を支援する体制づくりのための研修で、経営継承者および後継者、支援団体を対象にしている。

 研修は11月まで全5回を計画。競走馬生産振興事業において実施する「軽種馬生産基盤整備対策事業」及び「優良繁殖牝馬導入事業」における「担い手特認」並びに「軽種馬経営継承者借換資金融通」の対象者は、この研修を3回以上受講することが要件となり、遠隔地からの参加者は研修受講支援補助が利用できる。

 この日は牧場の経営継承者や後継者、自治体や農協の職員など約30人が出席したほか、来場できない対象者へのオンライン中継もされた。第1回は法律(競走馬の生産・育成とリスクの管理)がテーマとなり、講師は弁護士法人第一法律事務所の村中徹弁護士が招かれた。また、アドバイザーとして赤坂西法律事務所の鍋谷博敏弁護士、酪農学園大学の小糸健太郎教授、畜産総括コンサルタントの原田要氏、合同会社北海道レーシング・パートナーズの大川和久中小企業診断士、日高農業改良普及センターの渋谷敦子氏も駆けつけた。

 講師の村中弁護士は1991年3月神戸大学法学部法律家卒業。1992年10月に司法試験に合格し、1995年4月に司法修習修了(47期)弁護士登録(大阪弁護士会)。2012年から2014年まで司法試験考査委員(商法)を務め、現在は大阪商工会議所経済政策・法規委員会副委員長、日本監査役協会相談室相談員、関西商事法研究会幹事、古野電気株式会社社外監査役、株式会社カプコン社外取締役などを務めている。また、馬主としても知られ、2022年のスプリングS(G2)を制覇したビーアストニッシドなどを所有している。

 「競走馬の生産・育成とリスクの管理-経営者として留意すべき法的知識-」と題した講演で村中弁護士は、法的なトラブルやリスクがなぜ生じるのかを適切に理解するための競走馬の生産・育成という事業の特殊性を踏まえたリスク管理、各場面・事例に即した法的な留意点を適切に理解するための競走馬の生産・育成にまつわるトラブルの場面・事例の紹介、経営・人事管理についての法的な留意点を適切に理解するための競走馬の生産・育成事業運営にまつわるトラブルの場面・事例の紹介について説明。まとめとして経営者にとっての法的な知識の重要性や契約・合意等の文書化、証拠化の受容性、経営者として法的なリスクについての感度を高めることの重要性を強調した。