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フローラルカップはアメリアハートが2度目の重賞挑戦で初制覇

  • 2023年09月11日
  • 小野騎手はノースクイーンCに続く重賞勝利で今シーズン重賞2勝目
    小野騎手はノースクイーンCに続く重賞勝利で今シーズン重賞2勝目
  • 最後の直線で狭いところを割ってでるようにして抜け出したアメリアハート
    最後の直線で狭いところを割ってでるようにして抜け出したアメリアハート
  • デビュー6戦目。2度目の重賞挑戦で初勝利のアメリアハート
    デビュー6戦目。2度目の重賞挑戦で初勝利のアメリアハート
  • 小野調教師(右端)と小野騎手はフローラルカップ初勝利
    小野調教師(右端)と小野騎手はフローラルカップ初勝利
  • 「自厩舎の馬で勝てたことがうれしい」と、小野騎手
    「自厩舎の馬で勝てたことがうれしい」と、小野騎手

 ホッカイドウ競馬の2歳牝馬中距離路線の頂点は「ブロッサムカップ」。今年は10月11日に行われる予定だが、その頂点を目指す重要なステップレース「JBC協会協賛ダノンプレミアム賞 第23回UHB杯 フローラルカップ」が9月6日、門別競馬場で行われた。

 人気の中心は、ここまで4戦2勝のスティールマジックで1.8倍。2番手追走からあっという前に2位入線馬を突き放した能力検定の段階から注目を集める存在だったが、4月26日のフレッシュチャレンジ競走を9馬身差で勝ちあがり、栄冠賞は後方から追い込んで2着。前走のウィナーズチャレンジ競走は距離延長、そして初めて経験するコーナー4つの競馬を逃げることであっさりとクリア。今回はさらに100mの距離延長となるが、同じ内回り。逃げるレースを経験したことは、むしろプラス材料と向きが多かった。

 2番人気は前々走のウィナーズチャレンジで鋭く追い込みスティールマジックにクビ差まで迫ったアメリアハートで3.7倍。まったくと言ってよいほど注目されない中でのデビュー戦だったが先行集団に食らいつくように4着となったあと2戦目に勝ち上がり、1200mの2歳オープン4着を挟んで前述のウィナーズチャレンジ2着。前走フルールカップは後方から差を詰めるも脚を余し気味に4着。勝負どころで手を抜くように手応えが悪くなるのだが、直線に向くとそこから息を吹き返して追い込んでくる。

 未知の魅力は浦和の加藤和博騎手と新しいコンビを組んできたハニービート。5.3倍の3番人気。410kg台という小柄な馬だが、ここまで3戦2勝。1000mのフレッシュチャレンジ競走2着のあと確勝を期して出走した同距離の未勝利戦を勝ち上がると、それまでのレース内容から距離を延ばした方が良いと判断されて1600mのアタックチャレンジ競走を3馬身差で快勝して、このレースに駒を進めてきた。

 10頭がエントリーして単勝オッズ10倍以下はこの3頭。4番人気はJRAのクローバー賞で逃げて6着と健闘してきたモズミギカタアガリで、5番人気は好枠を引き当てたトドイワウィンド。今シーズン10番人気馬と5番人気馬で重賞2勝と好調な阿部騎手が手綱を取ることも加味されての上位人気となっていた。

 若き乙女たちのレースは非常に激しいものとなった。ハナを主張したのはクローバー賞でもハナを譲らなかったモズミギカタアガリ。スティールマジックがこれを追い、田中淳司調教師が「コスモス賞への出走を考えた」というビギンザビギン。前走はスタート直後につまずいて自分のレースができなかったが、この日は本来の先行策で上位進出を狙う。前半3ハロンを36.6秒で通過すると向こう正面は13.4秒、13.3秒と内回りコース特有の加速ラップ。こうした流れにほくそ笑んだのは「出たなりのマイポジション(小野騎手)」で脚をためていたアメリアハートとハニービート。上がり3ハロンはなんと42.9秒で、ゴール前の2ハロンは14.8秒、15.1秒という死闘を制したのはアメリアハートだった。「調子は良かったので勝利を意識してレースへと挑みました。これからもっと良くなる馬だと思う」と晴れやかにレースを振り返り、ブロッサムカップでの健闘を誓った。