北海道静内農業高等学校生産馬が北海道サマーセールで売却される
8月21日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長、生徒数160名)は、新ひだか町静内神森にある北海道市場を会場に開催された日高軽種馬農業協同組合が主催する北海道サマーセールにおいて、生産馬を2,200,000円(税込)で売却した。
2,200,000円で売却されたのは、昨年4月8日に生まれた牡1歳鹿毛のナリタトップスター2022。父は新ひだか町静内田原にある日本軽種馬協会静内種馬場で供用され、1歳世代が本邦初年度産駒になるノーブルミッション、母の父は世紀の大種牡馬ディープインパクトという血統になる。
文部科学省によるマイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)の指定校として、軽種馬生産について専門的な知識や技術を学ぶ生産科学科の生徒が、光翔(みなと)と名付けたナリタトップスター2022は、馬事コース3年生が管理。出産時から離乳、育成、せり馴致と、マイスター・ハイスクール事業の一環として習得した技術を駆使して手塩にかけて育ててきた。
北海道サマーセールの初日に上場された上場番号203番のナリタトップスター2022は、馬事コース3年生の亀井奏汰さん、髙橋慎一 さん、中村波音さん、堀川優馬さんの4名とともにせり前日の20日に会場入り。馬房づくりやスクーリングを行い本番に備えた。
当日の比較展示では購買登録者のリクエストに応じて歩様や馬体を披露。学校から駆け付けた馬事コース3年生12名や1年生、2年生、赤穂校長、卒業生らが見守るなか、2,200,000円で新ひだか町のジャパン アクセス コーポレーションが落札すると、会場は温かな空気に包まれた。
パレードリンクでの引き馬を担当した高橋さんは「日ごろの練習の成果が出せました。生まれる前の母馬の手入れから、生まれてから今日のせりまでの管理は、とても勉強になりました。2,200,000円というのは、いまの状態を考えたら正当な評価だとおもいます。卒業後はJBBAの生産育成技術者研修を受講したいです。将来はJRAの厩務員から、ゆくゆくは調教師になりたいです」と納得顔。セール会場を担当した堀川さんは「最初に声がかかったときはひと安心しました。母親の種付けから出産、生まれた子どもをこのせりに向けて馬事コース3年生16人みんなで育てた馬を、こうして評価していただきありがたいです。将来は馬の道に進もうと考えてますので、これまで学んだこと、自分ができる範囲で全部できたことは良い経験になりました。元気に走ってほしいです」と安堵した。
ジャパン アクセス コーポレーションが落札したナリタトップスター2022は、佐賀県の佐賀競馬でデビュー予定という。管理を依頼された真島元徳調教師は「今うちの厩舎で働いている自分の息子(二也さん)が静内農業高校の卒業生なので、いつかは生産馬に携わりたいとおもっていたところ、たまたま今回、ご縁があってそういう機会が巡ってきました。快くお預かりしたいと感謝しかありません。これから育成でどんな動きをするか楽しみです」と話した。