ブリーダーズゴールドジュニアCはブラックバトラーが勝利
過去の優勝馬にオヤコダカやイグナシオドーロ、そしてベルピットなどが名を連ねる「ブリーダーズゴールドジュニアカップ」が8月10日、門別競馬場で行われ、前半は中団インで脚を溜めていた日高町の増尾牧場生産で5番人気ブラックバトラーが最後の直線で逃げ粘るカプセルを交わして先頭ゴールイン。6月のフレッシュチャレンジ競走に続く勝利で通算成績を2戦2勝とした。
8頭立てとやや寂しい頭数になったものの、来年から始まるダート三冠競走を見据えるうえでは重要なレース。ここからサンライズカップ、そしてJBC2歳優駿(Jpn3)を経て全国へと羽ばたく馬たちが顔をそろえる注目の1戦。その中で1番人気に支持されたのは6月28日のパール特別を勝ったサントノーレだった。父は2016年の北海道2歳優駿(Jpn3)(現在のJBC2歳優駿(Jpn3))で、地元ホッカイドウ競馬の雄ヒガシウィルウィンを下した新種牡馬エピカリス。デビュー戦のフレッシュチャレンジ競走1200mは逃げて圧勝し、1700mに距離を延ばされた前走は、のちに7月12日のターフチャレンジ競走を大差勝ちするルクスシールズを負かしているようにスケールの大きさを感じさせる頭で、最終的な単勝オッズは1.8倍。多くのファンが、その強さを信じていた。続いたのは1700mのフレッシュチャレンジ競走を楽勝してパール特別で1番人気の支持を受けたティントレットで4.5倍。栄冠賞3着カプセルは4.8倍。デビュー戦を楽勝した良血クールソリッドが7.1倍。8頭立てながら4頭が10倍を切るオッズ。将来豊かな馬たちが人気を分け合った。
先手を主張したのはカプセルだった、2番手は外からサントノーレ、内から最低人気のパワーキングダムが続き、さらにはティントレット。1周目ゴール板を通過してからの1ハロンは12.2秒。有力馬が刻むハイラップはコーナーに入ってもラップが落ちずに、まずパワーキングダムが脱落。「駆け引きができる長距離レースが好き」という阿部騎手が手綱を取ったブラックバトラーは向こう正面の12.6秒、12.5秒という激しい流れを避けるようにポジションを下げ、動き出したのは3角手前から。「初めて乗った馬ですが、力みもなく白い砂にもしっかりと対応してくれた。軸がしっかりしているから自分の走りができた」とインコースをロスなく進み、並んだら強いはずのカプセルをねじ伏せた。最後3ハロンは13.0秒、13.6秒、14.3秒。「キャリアの浅い馬だから、抜け出してからはふわっとしてしまった」と頭をかいたが、それでいてこの強さ。管理する田中淳司調教師は「デビュー戦のあと一度楽をさせて、調子を上げてきている途中だったので、正直にいえば半信半疑だった。まだ成長途上の馬なので、馬の状態を見ながら次走のプランを立てたい」と慎重な構えを崩さなかったが、それでいてのこの強さ。今年もホッカイドウ競馬のレベルは高そうだ。