サッポロクラシックカップは10番人気オスカーブレインが4馬身差をつけて重賞初制覇
10月5日に行われる新設重賞ネクストスター門別への重要なステップレースとして生まれ変わった「JRA認定第10回サッポロクラシックカップ(JBC協会協賛アドマイヤマーズ賞)」が7月27日、門別競馬場で行われ、浦河町の中村雅明氏生産で10番人気のオスカーブレイン(牡2歳、北海道・角川秀樹厩舎)が1分14秒2で逃げ切り勝ち。デビュー4戦目、2度目の重賞挑戦でタイトルに輝いた。角川秀樹調教師は1700mで行われた昨年のベルピットに続く勝利でサッポロクラシックカップ通算4勝目。騎乗した阿部龍騎手は当該レース10回目の騎乗で初勝利となった。
1番人気のカイコウは後方から差を詰めたものの3着。好位を追走していた2番人気キタサンヒコボシは最後のびられず、3番人気のタントゥームはダッシュつかずに後方からの競馬を余儀なくされてそのまま見せ場なく11着に敗れている。
勝ったオスカーブレインは父ダノンレジェンド、母オスカークイーン(母の父シニスターミニスター)。母はJRAダート1200m新馬戦優勝馬で、母の半姉にはNAR2歳最優秀牝馬で、東京2歳優駿牝馬優勝馬ブルーセレブがいる血統。さかのぼればJRA賞最優秀短距離馬フラワーパークなどを擁するファミリーで、北海道市場セプテンバーセール取引馬だ。
能力検定で見せたダッシュ力、スピードから人気になったフレッシュチャレンジ競走をあっさりと勝ち上がったものの続くウィナーズチャレンジはテンの2ハロンが23秒1、前半3ハロン34秒9というハイラップを踏んで失速。前走の栄冠賞はさらに速い同22秒8、同34秒6でやはり失速。
ここも逃げ、先行馬が多く顔を揃える展開となったが「この馬の武器はスタートとスピード」と言う阿部騎手は迷いなくハナを奪うと、ノーマークの気楽さも手伝って後続を離してのひとり旅。前走、前々走は他馬との激しい先行争いでスタミナを失ってしまったが、コンビを組んでこの日が3回目となる阿部騎手は巧みにペースを落として愛馬を労わった、テンの2ハロンは23秒3で、前半3ハロンは35秒2。「前走、前々走は息が入るところなかったが、今日は(脚を)溜めることができた」とレース後のインタビューで笑顔。余裕たっぷりに4角を回ったところで外へ大きく寄れたものの、立て直されると再び後続との差を広げて余裕たっぷりに先頭でゴールへと飛び込んだ。
「もともと期待していた馬だったが、今日は相当な力を示したと思う。もし、後ろから追われるような展開になれば、まだ反応してくれたと思うし、底知れない強さだった」と阿部騎手はそのスピードに舌を巻き、角川調教師は「まだ若さを残す中でこの勝ち方は楽しみが広がる。もっと大きいところを狙える馬かも」と10番人気での快走に笑顔を広げた。