シャトル種牡馬が南半球へ出国する
7月15日夜、安平町早来源武にある社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っているアドマイヤマーズとモーリス、日高町富川東にあるブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬生活を送っているサトノアラジンの3頭が、南半球における種付シーズン期間にシャトル供用されるため、新千歳空港から出国した。
7歳のアドマイヤマーズは、2021年、2022年シーズンに続くシャトル。シャトル先はオーストラリアのアローフィールドスタッドで、種付料は22,000オーストラリアドルに設定されている。今シーズン国内では約130頭と交配したという。
12歳のモーリスは、2017年、2018年、2019年、2021年、2022年に続き6回目のシャトル。シャトル先はオーストラリアのアローフィールドスタッドで、種付料は82,500オーストラリアドルに設定されている。アローフィールドスタッドでは今シーズンからモーリス産駒のヒトツが種牡馬入り。国内外でモーリス系が伸びていくことが期待されている。今シーズン、社台スタリオンステーションでは160頭以上の種付頭数を記録したという。
12歳のサトノアラジンは、2018年、2019年、2021年、2022年に続き5回目のシャトル。シャトル先はニュージーランドのリッチヒルスタッドになる。種付料は45,000ニュージーランドドルに設定。2023年のATCオーストラリアンオークス(G1)、ニュージーランドオークス(G1)などを制覇したペニーウェカ、2023年のマタマタスリッパーS(G3)などを制覇したトウキョウタイクーン、2022年のMRCブルーサファイアS(G3)などを制覇したグランドインパクトなど、南半球で産駒が大いに活躍していることで、昨シーズンの12,500ニュージーランドドルから大幅アップした。
3頭は国内での種付業務を早めに切り上げて、6月30日に輸入検疫のため、白老町社台にある日本軽種馬協会胆振輸出検疫施設に移動。帰国は12月を予定している。
2頭を送り出した社台スタリオンステーション事務局は「おかげさまで今年もシャトルのお話をいただき、2頭とも一定数の種付頭数を確保できると聞いています。昨年までは7月に輸入検疫に入り8月に出国していましたが、暑い時期の検疫は負担が大きいため今年は6月になりました。日本での種付シーズンも無事に過ごすことができ、良いコンディションでシャトル先へいくことができました」。サトノアラジンを送り出した事務局の(株)サラブレッド・ブリーダーズ・クラブは「種付料がアップしたにもかかわらず、すでに100頭を超える種付申し込みをいただき、南半球生産界でも多大な期待が寄せられています。世界規模で活躍するサトノアラジンに今後も注目していただきたいです」と話した。