馬産地ニュース

ノースクイーンカップはレスペディーザが重賞初挑戦で初勝利

  • 2023年07月12日
  • 重賞初挑戦で初勝利
    重賞初挑戦で初勝利
  • 3戦連続プラス体重で充実の馬体を披露
    3戦連続プラス体重で充実の馬体を披露
  • 約2年ぶりの重賞勝利に笑顔が広がる小野騎手
    約2年ぶりの重賞勝利に笑顔が広がる小野騎手
  • 「最後まで一生懸命に走ってくれる」と小野騎手
    「最後まで一生懸命に走ってくれる」と小野騎手
  • 喜びを共有する口取り
    喜びを共有する口取り

 グランダムジャパンの古馬シーズン第3戦「第22回ノースクイーンカップ」が7月6日にホッカイドウ競馬の門別競馬場で行われ、好位を追走していた日高町スマイルファーム生産の2番人気レスペディーザが最後の直線で力強く脚を伸ばして優勝。JRA1勝クラスからの転入3戦目でビッグタイトルを手中にした。

 同馬は父マクフィ、母レッドシャンデル(その父ネオユニヴァース)という血統。マクフィ産駒の重賞勝利は2月のたんぽぽ賞(佐賀)4月の東海桜花賞(名古屋)に続いて今年3勝目で、通算12勝。鞍上の小野騎手は一昨年のヒダカソウカップ以来の重賞勝利で通算6勝目。田中淳司調教師は、4日のグランシャリオ門別スプリントに続く重賞勝利で通算80勝目。ノースクイーンカップは調教師として歴代最多単独トップの3勝目となった。

 レース当日になって昨年の2着馬で、このレースに向けての前哨戦「ヒダカソウカップ」2着クーファアチャラが右前肢に球節炎を発症させたために出走取消。9頭立てという寂しい頭数にはなったものの、連覇を狙う1番人気ネーロルチェンテに挑戦状を叩きつける格好になったのは前走で牡馬を相手に「クロユリ特別」を逃げ切った2番人気レスペディーザと船橋競馬場からの刺客となった3番人気レディオスター。前者は1走毎に調子を上げている存在で、また後者はデビューしたばかりの2歳時には、ここ門別競馬場のリリーカップでスピーディキックと半馬身差の勝負をするなど高い能力を示した馬だ。これらに加えて佐賀の快速牝馬スーパースナッズと4着だった昨年に引き続き大井競馬場から参戦を表明してきたサルサレイアらの遠征組がレースを盛り上げた。

 出走を取り消したクーファアチャラに代わってハナを奪ったのは佐賀のスーパースナッズ。半マイル通過が52秒3で前半1000mが64秒7。ゆったりしたペースでレースを引っ張る。2番手には、2走前に浦和競馬場へ遠征して短距離重賞「しらさぎ賞」を勝ったスティールルージュが折り合いをつけながら続き、その外にレスペディーザ。前走時は小野騎手が気合をつけながらハナを奪ったが、この日は無理をすることなく砂を被らない好位外目の3番手。レース後に小野騎手が「返し馬のときから自分で行く気を見せたように前走より体調は上がっていたが、この馬の良いところは乗り役の指示に素直」というように、しっかりと折り合いをつけながらの追走だ。そしてこれらを見るような位置にレディオスターと人気を背負ったネーロルチェンテ、そして虎視眈々とインコースで息をひそめる7番人気ウワサノシブコが続く。

 その隊列のまま淡々としたペースで流れたレースが動いたのは4角手前。レース前から距離に不安を抱えていたスティールルージュが失速すると、それを待っていたかのようにウワサノシブコとレスペディーザがスーパースナッズに襲い掛かりる。残り200m付近でグイっと力強く伸びたのはレスペディーザ。「しっかりと折り合いもついていたし、最後までしっかりと脚を使ってくれるはず」というパートナーの信頼に応えるような走りで先頭ゴールインを果たしている。

 田中調教師は「今日が転入後3戦目。使うごとに良くなっている印象で、パドックの雰囲気も良く見合えた。ジョッキーも思い描いていた通りのレースをしてくれたので安心してレースを見ることができた」と会心の笑顔。「牝馬同士の中距離戦なら全国レベル。このあとはビューチフルドリーマーカップに挑戦したい」と意気込みを見せていた。