北海道静内農業高等学校生産科学科馬事コース2年生北海道市場を見学
6月29日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長)の生産科学科馬事コース2年生は、新ひだか町静内神森にある北海道市場を見学した。
これは文部科学省によるマイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)に伴う講義の一環。令和3年度から指定校に認定された静内農業高等学校は、JRA日本中央競馬会や公益社団法人日本軽種馬協会、日高軽種馬農業協同組合などの軽種馬関連機関や団体、獣医学科のある教育機関との連携を強化し、軽種馬に係る専門的な知識や技術の研修を生産科学科馬事コースに取り入れている。
この日は日高軽種馬農業協同組合、胆振軽種馬農業協同組合、十勝軽種馬農業協同組合が開設者となり、年間約2,000頭のサラブレッドが取引される北海道市場について研修。講師は小島謙治日高軽種馬農業協同組合業務部長が務めた。
北海道市場は現在、サラブレッド2歳を対象にしたトレーニングセール、サラブレッド1歳を対象にしたセレクションセール、サマーセール、セプテンバーセール、オータムセールと年5回、せりを開催。静内神森にある北海道市場は、セレクションセール、サマーセール、セプテンバーセール、オータムセールの会場として知られる。
小島部長は日本の生産頭数と北海道市場での売却頭数の推移、購買者の推移、モーリス、ジャックドールに代表される北海道市場で取引されたあと大レースを制覇した活躍馬、セレクションセールをはじめとした各セールの特徴、上場申し込み、せり名簿発行、販売者書類提出、事前資料公開開始、上場馬の輸送といった、せり上場までの流れ、購買登録の流れ、せり当日の流れ、市場取引賞、四肢レントゲン写真・上部気道内視鏡動画、せり名簿に掲載されるブラックタイプなどについて説明。続いてセール会場、厩舎エリア、屋外と屋内のパレードリンク、多目的ホール内の簡易馬房などを案内した。
セール会場では、生徒が購買者席に座り、模擬せりも体験。鑑定人が金額を読み上げると、1から9までの指サインを駆使して馬主気分を味わった。生徒からは「せりで合図を見落としたことはないのですか?」、「上場馬が立つステージの素材はどれくらいの期間で入れ替えるのですか?」、「オンラインビッドではどれくらいの頭数が取引されているのですか?」といった質問が寄せられた。
小島部長は「生徒さんのなかには生産牧場や引退競走馬、調教師などに興味がある人もいると聞いております。卒業後はわたしたちのようなせりの運営するスタッフ、生産牧場やコンサイナー、馬主や調教師といった購買者などいろいろな形でせりに参加していただけたらうれしいです」と話した。