北海道静内農業高等学校で2頭目の当歳が生まれる
5月17日午前8時頃、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長、生徒数160人)において、今年2頭目の当歳が誕生した。
生まれたのは父が昨年から公益社団法人日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場にて供用されているミスチヴィアスアレックス、母がマドリガルスコア、母の父がダンスインザダークという鹿毛の牝馬。母にとっては8番仔で静内農業高校での出産は4頭目。父の初年度産駒で2020年の北海道サマーセールにおいて27,500,000円(税込)で売却されたテイエムケントオーの半妹になる。予定日より9日ほど遅れての出産となったが、産後も順調に育っているという。
生まれてから1か月ほどたった6月19日には、4月2日に生まれた父アニマルキングダム、母ナリタトップスター(その父ディープインパクト)の牡馬とともに、生徒の誘導ではじめて大きな放牧地に放牧。2頭の親子は生産科学科馬事コース3年生がひき手を放すと元気に駆け回った。
マドリガルスコアの当歳について馬事コース3年生の牛尾夢我さんは「生まれて初めて見たときは母のマドリガルスコアに似て大きいなあとおもいました。性格も素直そう。レースに勝てる馬になってほしいです」。同じく馬事コース3年生の亀井奏汰さんは「牝なので先に生まれたナリタトップスターの牡馬とは一緒に放牧できませんが、人間とのコミュニケーションをしっかりとって社会性を学ばせたいです」と話した。
静内農業高校で同じ年に2頭の当歳が生まれるのは初めて。令和3年度から文部科学省の「マイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)」の指定校になり、軽種馬生産に係る専門的な知識や技術を習得できることから馬事コースの生徒が大幅に増えたため、繁殖牝馬を2頭に増やした。頭数を増やすことにより生徒が馬に触れる時間を確保することと、複数の馬を一緒に育てることで社会性や競争意識を養う狙いがある。来年からは繁殖牝馬を3頭に増やし、つねに2頭以上の出産ができる体制に整えるという。
今年生まれた2頭は来年の北海道市場の1歳市場に上場予定。馬事コースの2年生が中心となり育てていく。