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北海道静内農業高等学校生産科学科馬事コース2年生が馬の蹄について研修

  • 2023年06月26日
  • マイスター・ハイスクールに伴う講義
    マイスター・ハイスクールに伴う講義
  • 講師を務めた金子大作JRA日高育成牧場専門役
    講師を務めた金子大作JRA日高育成牧場専門役
  • 3Dプリンターで制作したホースシューズの一例
    3Dプリンターで制作したホースシューズの一例

 6月19日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長)の生産科学科馬事コース2年生は、馬の蹄について研修した。

 この研修は文部科学省によるマイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)に伴う講義の一環。静内農業高等学校は令和3年度から指定校になっており、生産科学科馬事コースはJRA日本中央競馬会や公益社団法人日本軽種馬協会や日高軽種馬農業協同組合などの軽種馬関連機関や団体、教育機関と連携し、軽種馬に係る専門的な知識や技術を学んでいる。

 この日の研修のテーマは「馬の蹄」について。講師は金子大作JRA日高育成牧場専門役が務めた。

 講師の金子専門役は昭和61年に装蹄師としてJRAに入会。入会後は競走馬総合研究所、栗東トレーニングセンター、美浦トレーニングセンター、馬事公苑、競馬学校、日高育成牧場、宮崎育成牧場で従事し、令和3年から2年間、公益社団法人日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場に出向。令和5年度から日高育成牧場に3度目の赴任をしている。

 競馬学校では騎手候補生時代の今村聖奈騎手、角田大河騎手、永島まなみ騎手や厩務員課程生徒に、JBBA静内種馬場出向時には生産育成技術者研修生に、装蹄について講義していた金子専門役は、馬に関する専門知識や専門技術がある専門家のことをホースマンと説明。一人前のホースマンになるためには自ら行動に移し、経験を上回る知識を得ることが大事と説いた。

 続けて肉食動物と草食動物の走り方の違い、動物によって異なる爪の種類、奇蹄類と偶蹄類の蹄の違い、ヒトとイヌ、ネコ、ウマ、ウシによる歩き方の違い、蹄の関節の構成、蹠枕と蹄軟骨、蹄の特徴、角質部、蹄匣、蹄冠、蹄側壁、蹄尖壁、蹄球、蹄踵壁、蹄の生長と更新期間、健康な蹄、蹄の適切な管理方法など、蹄に関する基本的な知識を説明。さらに3Dプリンターで制作した蹄葉炎を保護するシューズ、蹄の模型を用いての蹄の説明、静内農業高校にいる乗用馬を用いての装削蹄などでフットケアの重要性を講義した。