農林水産大臣賞授賞の中島滋氏が新ひだか町大野克之町長を表敬訪問
6月14日、新ひだか町御幸町にある新ひだか町役場に、去る6月6日に農林水産省による「第3回競馬功績者表彰」の農林水産大臣賞を受賞した中島滋獣医師が表敬訪問し、授賞のよろこびを報告した。
競馬功績者表彰は、わが国の競馬に関し、特に顕著な功績等を挙げた者に対して表彰を行うことにより、騎手や調教師の更なる技術の向上、競走馬生産農家の生産意欲の増大等を図り、競馬産業の活性化及び馬産地の振興を図ることを目的としたもの。「第3回競馬功績者表彰」では、中島氏のほか、橋田満氏(JRA元調教師、前日本調教師会会長)、佐々木竹見氏(神奈川県騎手会元騎手)、仲田和雄氏(地方競馬全国協会元理事長)の4名が表彰された。
中島氏は1934年生まれ、浦河町出身の88歳。1959年から獣医師として日高軽種馬農業協同組合、日本軽種馬協会などに勤務し、その後、開業獣医師として、日本最大の馬産地、日高地域の軽種馬診療や直腸検査による繁殖牝馬の交配適期診断の普及に努め軽種馬生産農家の交配に係る業務の効率化や低コスト化に大きく貢献した。その間、産業獣医師の育成にも取り組み、多くの獣医師を軽種馬業界に送り出すとともに、北海道獣医師会日高支部理事・支部長を19年間にわたり歴任し、日高地域の獣医療の発展と軽種馬産業の振興に尽力。また、日高管内唯一の農業高校ある北海道静内農業高等学校では評議員としてプロジェクトに参画し、生徒への馬づくりの指導助言を行うなど、馬産業を支える人材の育成に貢献した。さらに新ひだか町議会議員として5期、約19年にわたり地元の振興発展に尽力。この間、町議会議長などを歴任したほか、日高管内6町の町議会議員で日高地区軽種馬産業活性化推進議員連盟を立ち上げ、ホッカイドウ競馬の存続活動に積極的に取り組み、門別競馬場の屋内調教用坂路建設などに大きな役割を果たした。2017年には町政発展の功績が認められ旭日双光章(地方自治功労)を受章。軽種馬生産関係者で農林水産大臣賞の表彰をされるのは、木村貢氏(日高軽種馬農業協同組合前代表理事組合長、日本軽種馬協会顧問)、髙橋秀昌氏(胆振軽種馬農業協同組合前代表理事組合長、胆振軽種馬農業協同組合顧問、日本軽種馬協会顧問)に次いで3人目の栄誉となる。
中島氏は「もう年ですし秋の叙勲(旭日双光章)を受章したので、このような賞を受賞するとはびっくりです。みなさまに感謝申し上げます。わたしが診療していた当時は、種付けシーズンだけで7,000頭以上直腸検査をして、朝から晩まで舗装されていない道路を走り回っていました。電気が通っていない地域もあって、そういうところではろうそくを付けて診療していました。いまは携帯電話がありますが、当時は有線電話や家の電話で受け付けをして、うちの(妻)はたいへんだったとおもいます。昔は馬の獣医師といえば男性ばかりでしたが、いまは女性の獣医師も増えてきてとても意欲的と聞いております。当時より獣医療も技術も目覚ましい進歩をしていますが、いまも昔も馬の獣医師は少ないので、後進を育てていってほしい。そして生産者と密にコミュニケーションを取りながら、いままで以上に馬に寄り添った診療を続けていってほしいですね」と話した。
大野町長は「中島先生は日高地域にとっては無くてはならない人材で、日高の基幹産業でもある軽種馬生産の発展に寄与してくださったオピニオンリーダーでした。これからも一日でも長く後輩たちを見守ってほしいです」と祝福した。