馬産地ニュース

ノーザンホースパークがディープインパクトゲートを一般公開

  • 2023年06月13日
  • ノーザンホースパークに完成したディープインパクトゲート
    ノーザンホースパークに完成したディープインパクトゲート
  • 完成記念セレモニーであいさつする金子真人オーナー
    完成記念セレモニーであいさつする金子真人オーナー
  • 除幕式で完成を祝った
    除幕式で完成を祝った
  • 金子みね子氏のメッセージが刻まれた銘板
    金子みね子氏のメッセージが刻まれた銘板

 6月9日、苫小牧市美沢にある、北海道の雄大な自然のなかで馬とのふれあいを楽しめるテーマパークとして知られるノーザンホースパーク(吉田勝己代表取締役)は、競走馬として、そして、種牡馬として日本の競馬史に燦燦と輝くディープインパクトの名を冠したモニュメント、「ディープインパクトゲート」を一般公開した。

 ディープインパクトゲート建造のプロジェクトは、ディープインパクトの金子真人オーナーの発案・監修のもと、2020年にスタート。金子オーナーから依頼を受けた美唄市出身の彫刻家である安田侃氏が制作した。

 モニュメントへ続く入口の銘板は、ブラジル産ボストンブラック黒御影石を使用。金子オーナー婦人であるみね子氏のディープインパクトへのメッセージが刻まれている。

 モニュメントは安田氏の代表作である「意心帰」と「天聖」の2作品で成り立っており、大きな門の形をした「天聖」は、高さ7m6cm、奥行き1m50cm、幅6m50cmでイタリア産カッラーラ白大理石、その手前にある「意心帰」は高さ1m30cm、奥行き3m18cm、最大幅2mでインド産アブソルート黒御影石で制作。2021年8月の着工から約1年9か月を経て完成させた。

 一般公開前日の8日には、メディア内覧会と公開記念セレモニーを開催。内覧会ではモニュメントの概要説明や安田氏による制作秘話などがあった。

 公開記念セレモニーには金子オーナー夫妻や吉田代表取締役、競走馬時代にディープインパクトを管理した池江泰郎元調教師、すべてのレースの手綱を取った武豊騎手、種牡馬生活を管理した社台スタリオンステーションの徳武英介場長、ノーザンファーム職員らのオーナー関係者やディープインパクトゲートの着工に携わった工事関係者など約250人が出席。主催者を代表して金子オーナーは「こんな良い天気にみなさまお集まりいただきましてほんとにありがとうございます。ディープインパクトというのは、なぜわたしがあの名前を付けたかいまだにわからないですし、いつも名前を付けるときは理屈があるのですが、あれだけは家で座っていたら、ふわっと舞い降りてきたんです。映画のディープインパクトは、わたしが名前を付けたそのあとです。なんというか、命じられたような命名でした。なぜディープインパクトをわたしがせりで購入したかというと、その一つ上にわたしが所有するブラックタイドという立派な馬がいました。ディープインパクトはせりで7,000万円でした。7,000万のまませり上がらないでハンマーが落ちて7,000万円で買えました。小さいから大したことないだろうとおもっていたら、2歳の暮れになってから、栗東のほうでザワザワしてるという情報がわたしの耳にも入ってきました。なぜか池江先生は何もいわないんです、わたしのほうに。普段は見に行かないんですけど、はじめてトレセンのほうへひとりで見に行きました。そしたら武君が乗って目の前で10馬身くらい差を付けて飛んできました。これは大変な馬だとおもったときが、そのときでした。それ以来快進撃で、日本ダービー(G1)も無敗で制して、ほんとうにありがたい出会いでした。この子はオーナーが勝った負けたと喜んでいるような馬ではないと、ちゃんと将来に血を残さなければいけない馬だと、いうことで4歳いっぱいで上がらせて種牡馬になってもらいました。そのおかげでといいますか、そのあと、生まれた子どもはせりでもすごい人気で、実際、競馬場で走ったらとんでもないパフォーマンスを見せてくれて、とてもありがたかった思い出があります。わたしはたくさん馬を持っていますから、馬が死んでも泣くことはなかったんです。ただ、この子が亡くなったときに、大泣きしました。そんな、わたしの、心のなかに、残っているのは、ディープインパクトです。ありがとう。みなさん、ありがとうございました」とあいさつした。

 続いて吉田代表取締役は「ディープインパクトゲートのパーティーに参加していただきありがとうございます。また、金子真人さま、みね子さま、ほんとに、素晴らしいものをつくっていただいて、心の底から喜んで感動しています。ありがとうございます。また、安田侃先生、こういう大きな発想をしていただいて、ほんとに自然とマッチして、すごいゲートをつくっていただきありがとうございます。また、竹中工務店をはじめ建設にかかわった業者のみなさま、2年間、自然環境が厳しいなかで、完成させていただきありがとうございました。わたしも毎日、ここにきて、馬たちを守ってくださいとお願いしています。ここにくるとパワーや元気、活力がみなぎってきます。ディープインパクトは、生まれて小さくて、せりに出して、金子様に買っていただきまして、これだけ成功させていただいて、ほんとによろこんでいます。ほんとにありがとうございます。三冠を取ってそのあとも勝ってG1 7勝。また、種馬としてJRAのG1勝ち馬が47頭いました。JRAのG1の勝利数が、日本ダービー(G1)の7勝を含めて71勝。これは記録的な数字です。それから海外で9頭のG1勝ち馬がいます。ほんとにこれは、世界を制しているとしかおもえないです。これからディープの子孫がいっぱい出て、世界の血統表のなかに永遠に続きます。明日から一般公開します。ここにきて元気になって馬を好きになって馬に親しんでほしいです。そういう場所になってほしいとおもいます。ほんとうにありがとうございます」と祝辞。その後、金子オーナー夫妻、吉田代表取締役、安田氏による除幕式で完成を祝った。