馬産地ニュース

三石で第65回軽種馬1歳馬育成管理品評会が行われる

  • 2023年06月13日
  • 最優秀賞牡の部を受賞したラフメイカー2022(写真提供JAみついし)
    最優秀賞牡の部を受賞したラフメイカー2022(写真提供JAみついし)
  • 最優秀賞牝の部を受賞したメープル2022(写真提供JAみついし)
    最優秀賞牝の部を受賞したメープル2022(写真提供JAみついし)
  • 14頭が出陳した第65回軽種馬1歳馬育成管理品評会
    14頭が出陳した第65回軽種馬1歳馬育成管理品評会
  • 受賞者のみなさんの記念撮影
    受賞者のみなさんの記念撮影

 6月5日、三石軽種馬生産振興会(平野謙二会長)とみついし農業協同組合(JAみついし、澤田祐喜代表理事組合長)は、共催で第65回三石軽種馬1歳馬育成管理品評会を開催した。

 この品評会は育成管理技術の向上と会員相互の親睦を図ることを目的とする伝統行事。日本中央競馬会(JRA)、日本軽種馬協会(JBBA)、日高軽種馬農業協同組合(HBA)、新ひだか町が後援し、(株)レックス、(株)ジェイエス、(株)優駿、(株)サラブレッド・ブリーダーズ・クラブ、ダーレー・ジャパン(株)ノミネーションオフィス、社台スタリオンステーションなどの軽種馬商社や地元の軽種馬関連企業が協賛している。

 今年の品評会には牡7頭、牝7頭の合計14頭が出陳。浮島理JRA日高育成牧場場長と遊佐繁基JBBA日本軽種馬協会静内種馬場場長が審査員を務めた。審査には振興会会員のほか、HBA職員、新ひだか町職員、北海道日高振興局スタッフ、JRA日高育成牧場スタッフのほか、北海道研修中の荒井正次氏(施設部建築課課長補佐)、安保雅史氏(競走部厩舎関連室厩舎企画課課長補佐)、竹尾厚彦氏(経理部会計課課長)、西尾章氏(法務部契約室上席調査役)という2023生産地研修生4名も同行した。

 当日はJAみついしから出陳馬の飼養先を巡回し庭先で審査。出陳馬のコンフォメーションや成長過程、歩様、馴致、手入れ、管理状態、曳き方、展示の仕方、環境整備などを厳しい目でチェックした。

 結果は最優秀賞のサラブレッド牡の部がラフメイカー2022、サラブレッド牝の部がメープル2022に決定。ほかにも優秀賞、優良賞、ベストターンドアウト賞、みんなが選んだ馬大賞も発表された。

 表彰式では主催者を代表して三石家畜品評会長の澤田JAみついし代表理事組合長が「本日は日高育成牧場浮島場長様、日本軽種馬協会静内種馬場遊佐場長様をはじめ、巡回審査にあたっていただいた関係者のみなさまにおかれましては、ご多忙のところ、たいへんありがとうございました。また、この度の育成管理品評会に出陳いただいた生産牧場のみなさまにおかれましても、牧草収穫前の準備などでお忙しいなか、たいへんおつかれさまでした。今年で65回目を迎えた、歴史ある育成管理品評会も、みなさまにご協力いただいたおかげで、事故もなく無事終えることができたことに対しまして、改めて厚く御礼申し上げます。6月に実施する当品評会は、セールへ向けて生産者意識を高めるひじょうに重要なイベントとして受け継がれております。本日、出陳された1歳馬は、来月のセレクションセールに7頭、8月のサマーセールに7頭、上場いたします。その際には、さらに成長した姿をセール会場でご確認いただければ幸いでございます。この後、懇親会を4年ぶりに開催いたします。貴重な機会ですので、馬づくりについての情報交換などを交えながら懇親を深めていただければとおもいます。本日はたいへんありがとうございました」とあいさつ。受賞者へは三石家畜品評会、北海道日高振興局、JRA、JBBA、HBA、三石軽種馬生産振興会や協賛団体、協賛企業から、賞状やトロフィー、金一封、三石のブレンド米として有名なトキノミノル、三石のブランド豚である健酵豚を使用したカレーセット、三石のブランド牛として全国的に知られるみついし牛、日高産明太子といった地元の特産品が贈られた。

 浮島JRA日高育成牧場場長は「本日はたいへんおつかれさまでした。まずは、第65回1歳馬育成管理品評会、無事に開催されましたことを、心からおよろこび申し上げます。また、いまこの場で、受賞をされたみなさま、まことにおめでとうございます。今回、受賞されなかった牧場さんもいるわけですが、審査においては、ひじょうに僅差であったことを申しあげたいとおもいます。本番のせりに向けて、引き続き、馬の馴致、手入れを頑張っていただければとおもいます。あわせまして、今回の管理品評会、準備をしていただきました事務局のみなさま、生産振興会のみなさま、それから、今日、この日に向けて、出陳をいただきました各牧場のみなさま、ご協力いただきまして、まことにありがとうございました。ひじょうに内容の濃い品評会ができたのではないかとおもっております。わたくし自身は、19年前に生産地研修生という形で、日高に1年間お世話になっておりました。その当時も、管理品評会、行われておりまして、もちろん審査に加わるわけではありませんが、外から品評会の様子を眺めさせていただいておりました。多少記憶は薄れておりますけれども、やはり、約20年前と比較をしますと、ひじょうに馬の手入れ、馴致、レベルが上がっているなと、いうことを今回改めて感じたところでございます。」

 「とくに三石地区は、品評会に対しても熱意をもって取り組んでいただいてるというところで、こういった基礎を築いていくところが、この地区からマンダリンヒーローですとか、ミトノオーといった活躍馬が出ている素地になっているのかなというふうに、改めて感じたところでございます。このあとも本番のせりが控えております。さらなる馬に対しての馴致、手入れにがんばっていただくとともに、せり本番のときに多くの馬のなかから、ぜひ三石の馬に、それぞれ購買される方が注目していただけるように、馬の手入れとともに、ぜひ自分の馬を見てくれというような形で、自信をもって展示をしていただけるように、人のほうもせりに向けた準備をしっかりしていっていただければというふうにおもいます」と講評。牡の部の最優秀賞受賞した山際景示さんは「ルヴァンスレーヴの初年度産駒ということでまだ未知数ですが、子出しも良いですし、バランスの良い馬でしたので出陳しました。サマーセールの最終日の上場になりますが、このままそこまで順調に成長してくれたら。セールを楽しみにしたいです」、牝の部の土田大介さんは「母馬が良い馬でしたので繁殖にしました。初仔から高い評価を受けていまして仔出しの良い繁殖です。この仔はセレクションセールに上場します。気性も良いですし手のかからない人懐っこい馬です。昼夜放牧でも怪我無く順調に成長してくれています。大事にしている血統なので走ってほしいです」と話した。

 結果は下記の通り(敬称略)。

〇サラブレッド牡の部
 最優秀賞:ラフメイカー2022(父ルヴァンスレーヴ) 
 生産者名:山際牧場
 優秀賞:デュークストリート2022(父スクリーンヒーロー) 
 生産者名:三石軽種馬共同育成センター
 優良賞:エーシンベタラネリ2022(父シニスターミニスター) 
 生産者名:水丸牧場
 ベストターンドアウト賞:デコレイト2022(父ダノンレジェ
            ンド) 
 生産者名:稲葉牧場

〇サラブレッド牝の部
 最優秀賞:メープル2022(父ドレフォン) 
 生産者名:土田農場
 優秀賞:カワイコチャン2022(父シルバーステート) 
 生産者名:山際牧場
 優良賞:ダイワネーブル2022(父シャンハイボビー) 
 生産者名:前田ファーム
 ベストターンドアウト賞:ストロベリーズ2022(父フィエー
            ルマン) 
 生産者名:平野牧場

〇第2回みんなが選んだ馬大賞
 デュークストリート2022(父スクリーンヒーロー) 
 生産者名:三石軽種馬共同育成センター