北斗盃は1番人気ベルピットが7馬身差で圧勝
ホッカイドウ競馬の3冠シリーズ第1弾「JBC協会協賛フィエールマン賞 第47回北斗盃」が5月4日、門別競馬場で行われ、前半は中団に位置していた桑村真明騎手騎乗の1番人気ベルピット(日高町・厚賀古川牧場生産)が向こう正面からスパート。最後の直線は独走の7馬身差で1着賞金500万円を手中にした。
桑村騎手にとっては13年シーギリヤガール、16年スティールキングに続いて3勝目。角川秀樹調教師にとっては16年スティールキング以来7年ぶり5度目の北斗盃制覇となった。
「競馬に絶対はない」とはいえ、ベルピットは昨年のブリーダーズゴールドジュニアC、サッポロクラシックCを制し、JBC2歳優駿(Jpn3)では5頭のJRA勢相手に2着した強豪。管理する角川調教師が「冬場を本当に順調に過ごしました」と言うとおりに今シーズン初戦を8馬身差で制しており、最終的な単勝オッズ1.1倍も納得の数字だ。
しかし、レースは思いのほか厳しいものとなった。
ゲートは普通に出たものの、外から超がつくような大型馬エアポートライナーにハナを叩かれ、続いてニシケンボブ、プルタオルネに外からぴったりと蓋をされるような形で第1コーナーへ。桑村騎手がレース前に思い描いていた「最悪の状況」で1~2角を回らざるを得ないような格好になってしまった。前を行く4頭が蹴り上げる砂を被ってしまうような位置。加えて、レース後、角川調教師が「内回りコースにしては珍しいスローペース」と表現した流れの中で、やや行きたがる愛馬を懸命になだめながら、それでも訪れるチャンスを待った。
「この馬の長所は長く良い脚を使えるところ」と愛馬に絶対の自信を持つ桑村騎手は、残り800m地点、まだ入れ替えた砂が深く、どのジョッキーも避けていた内埒沿いからスパート。それまでレースを引っ張っていたエアポートライナーを外から交わして先頭に躍り出ると、あとは独走のままゴールを駆け抜けた。愛馬への絶対的な信頼感があるからこそのファインプレーだった。
2着には笠松、兵庫と転戦してきた2番人気ニシケンボブが入り、3着はこれが4戦目というシーサーペント。ベルピットの強さばかりが印象に残る1戦となった。
「良い勝ち方ができたと思う」と桑村騎手。角川調教師は「苦しい競馬になったが、一瞬の隙を見逃さなかったジョッキーのファインプレー」と愛弟子を称えた。
「自分が管理させてもらった馬の中でも相当なレベルにある馬だと思う。しっかりと管理して次のレースへと挑みたい」とその目は北海優駿を見据えていた。