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エトワール賞はスティールペガサスが圧倒的人気に応え勝利

  • 2023年05月01日
  • 馬場の真ん中を堂々と突き抜けたスティールペガサス
    馬場の真ん中を堂々と突き抜けたスティールペガサス
  • 貫録を感じさせる馬体に成長した
    貫録を感じさせる馬体に成長した
  • 「まだ通過点」と言わんばかりに表情を引き締めた関係者
    「まだ通過点」と言わんばかりに表情を引き締めた関係者
  • 6月の北海道スプリントカップ(Jpn3)では地元のチャンピオンとして全国の猛者を迎え撃つ
    6月の北海道スプリントカップ(Jpn3)では地元のチャンピオンとして全国の猛者を迎え撃つ
  • 第1回門別競馬の4日間で14勝を記録した桑村騎手
    第1回門別競馬の4日間で14勝を記録した桑村騎手

 ホッカイドウ競馬の2023年シーズン重賞第1弾はJBC協会協賛ベンバトル賞HBC杯第23回エトワール賞」。6月1日に行われるダートグレード競走「北海道スプリントカップ(Jpn3)」の前哨戦的位置付けにもなっており、昨年の道営スプリントに優勝したスティールペガサスに、NAR2歳チャンピオンシリーズ優勝馬スペシャルエックス、連覇を狙うフジノパンサーなどが顔を揃える注目の1戦となった。

 昨年の道営チャンピオンスプリンターとして、そして更なる飛躍を誓うためにもスティールペガサス(牡6歳、父サウスヴィグラス)にとっては負けられない1戦だった。

 もともと期待の大きな馬だったが、昨年4月の「アドマイヤマーズプレミアム」を快勝して本格化をアピール。エトワール賞2着のあとは、当時まだ重賞未勝利の身ながらダートグレードの北海道スプリントカップ(Jpn3)で地方競馬所属馬として最先着5着と健闘し、その後は4連勝で道営スプリント界の頂点へと上り詰めており、その勢いそのままに挑んだ笠松グランプリは結果4着だったが、元JRAオープン馬らと差のない競馬で全国トップレベルの能力をアピールしていた。

 今回は、その笠松グランプリ以来となる1戦。発表された馬体重は、13kg増だったが、昨年の道営スプリント比ではプラス2kg。角川調教師が「休み明けではありますが、ここを目標に乗り込んできました」と話したように、3月中旬から坂路入り。このレースに向けては坂路、本馬場の両方を使ってしっかりと仕上げられての出走となった。

 レースを引っ張ったのは1枠1番を引いた3歳馬スペシャルエックス。距離適性から3歳三冠路線ではなく、短距離路線を選んで挑んだ1戦。しかも、ここ門別競馬場では3戦3勝。今年から砂が入れ替えられたものの、同じ砂を使用している園田競馬場で好走歴(兵庫ジュニアGP(Jpn2)2着)もあって迷いはない。別定重量で最大4kg差与えられた「恵量」を生かそうという戦法だ。JRAから転入してきた快速ベストマジックがこれに続き、グランシャリオ門別スプリント2着グレイトダージーも加わって先行集団を形成。スティールペガサスは互角のスタートから、前半は好位のインコースを進んでいたが4角手前で外に持ち出されると、前を行くベストマジック、スペシャルエックスを楽に交わし先頭でゴールへと飛び込んだ。

 2馬身半差の2着にはスペシャルエックスが逃げ粘り、後方から追い込んだ11歳馬スマートアヴァロンが3着。一昨年の北海道スプリントC(Jpn3)3着で、この日がホッカイドウ競馬転入初戦となった3番人気スマートアルタイルは最後方でレースを終えた。

 「春先からパワーアップを感じていた。勝つ事が出来て、良かったです」。単勝140円という圧倒的人気に応えるように愛馬を勝利に導いた桑村騎手は安堵の表情でインタビューに応え、角川調教師も「序盤は外に持ち出すことができずにリズムを崩した場面もあったが、最後の直線は安心して見ることができた」と強さを増した愛馬を称えた。

 今シーズンの短距離路線を占う重要な1戦で力の差を見せつけたスティールペガサス。北海道スプリントカップ(Jpn3)でJRA勢を迎え撃つ。