ホッカイドウ競馬で2歳戦がスタート
4月19日、2023年度のホッカイドウ競馬グランシャリオナイターが開幕した日高町富川駒丘にある門別競馬場において、全国の競馬場に先がけて2歳戦がスタートした。
日本一早い2歳新馬戦は、令和5年度第1回門別競馬1日目の第6競走。1着賞金が5,000,000円というJRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走で、ホッカイドウ競馬では重賞競走に匹敵する賞金を懸けて、1,000mを舞台に10頭が出走した。
1番人気に推されたのは、3月16日の競走能力・発走調教検査において、800mで49.1秒の好タイムをマークしたカプセル。以下、2歳新種牡馬アポロケンタッキー産駒のリメンバーアポロ、1枠1番のクリスタライズ、7枠7番のコスモタラゴンと続いた。
注目のレースは、最内枠1番から好スタートを決めたクリスタライズが、鞍上の井上俊彦騎手の叱咤に応え先手を主張。先頭で4コーナーを回ると、直線では追いすがるコスモタラゴンとの差を広げ、最後は3馬身の差をつけ、1分01秒1秒のタイムでゴール板を駆け抜けた。1番人気のカプセルは3着だった。
2021年生まれのサラブレッドのなかで、最初の勝ち馬として歴史に名を刻んだクリスタライズは、父がミッキーアイル、母がクラリティーアイズ、母の父がキングカメハメハという血統の牡の鹿毛。名牝ファンシミンにさかのぼる母系で、一族にはラインクラフト、ルヴァンスレーヴ、チュウワウィザード、ソングオブウインド、アドマイヤマックス、アドマイヤロイヤル、ダイナシュート、ダイナマイン、ダイナフェアリー、ブロードマインドなど、数多くの活躍馬がいる。(株)YGGホースクラブの所有馬、佐々木国明厩舎の管理馬、日高町にあるサンバマウンテンファームの生産になる。
佐々木調教師は「能検(競走能力・発走調教検査)のときはスタートを出なかったので、レースまでにゲート練習を繰り返ししてきました。今日も尾っぽをもってゲート入りしました。馬も気持ちが入っていたみたいで、スタートが決まりましたね。好スタートして集中を切らさずハナをきれました。内埒沿いは砂が深いので、内埒から少し離して乗ってほしいという指示通りにジョッキーも乗ってくれました。ほかの馬ももっとくるかとおもいましたが、そこはクリスタライズの粘りが、いい競馬につながりました。次走は夏の栄冠賞へ向けて1回レースを使うかどうか。落ち着いていて輸送もクリアできそうなので、JRAも視野に含めて考えていきたいですね。距離ももう少し伸びても折り合いに苦労することはないでしょう。今日は1,000mでしたが、中距離くらいまではこなせそうな感じはしました」とコメントした。
愛馬の勝利に立ち会ったYGGオーナーズクラブの福原聡代表取締役は「調教の動きもよかったですし、佐々木先生がゲート練習に入念でしたので、スタートさえ決まればとおもってみてました。最後も後ろからくるのではとおもいましたが、強い競馬をしてくれてよかったです。奥のある馬なのでこの先もたのしみです。JRAに挑戦したいです」と話した。